Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2019年12月12日 No.3435  海洋プラスチック問題をめぐる国内外の政策動向について聞く -環境安全委員会廃棄物・リサイクル部会

経団連は11月22日、東京・大手町の経団連会館で環境安全委員会廃棄物・リサイクル部会(山田政雄部会長)を開催し、環境省水・大気環境局の小野洋局長から説明を聞くとともに意見交換を行った。説明の概要は次のとおり。

■ 海洋プラスチックごみ問題の現状

世界の海洋プラスチックごみ流出量の推計値によると、G7諸国から流出されるのは全世界の2%程度である。一方、G20諸国およびASEANを含めると全世界の約3分の2となることから、海洋プラスチックごみ問題の解決に向けては、これらの国々を巻き込み、対策を講じる必要がある。

■ G20大阪サミットの成果

今年6月のG20大阪サミットにおいて、「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」が共有されるとともに、「G20海洋プラスチックごみ対策実施枠組」が承認された。

その後、10月に東京で開催されたG20海洋プラスチックごみ対策フォローアップ会合において、同実施枠組に基づく各国のベストプラクティス等が共有され、「G20海洋プラスチックごみ対策報告書」が取りまとめられた。また、資源効率性について、一層効果的な取り組み推進を図る「G20資源効率性対話ロードマップ」の策定や、日・米・EUが共同でワークショップを開催し、三者が共同で科学的知見の充実・強化を牽引することが確認された。

海洋プラスチックごみの各国からの流出量データは、現状、国際的に合意されたものはなく、今後の対策推進にあたっては、より正確なデータが必要である。科学的知見の充実・強化を日・米・EUが連携して行うこととし、日本はモニタリング手法とデータ整備に関して主導的役割を果たす。

海洋プラスチック問題は、来年のG20でも引き続き議題として取り上げる旨、議長国であるサウジアラビアが表明している。

■ 海洋プラスチック問題への国内施策

政府は、今年のG20に先立ち、「海洋プラスチックごみ対策アクションプラン」や「プラスチック資源循環戦略」の策定、海岸漂着物処理推進法基本方針の変更を行った。加えて、プラスチックと賢く付き合っていくことを進める取り組みである「プラスチック・スマート」を展開している。今後、プラスチック・スマートの考え方のもと、環境省と経済界が連携して、地球規模の海洋プラスチック問題の解決に向けて、具体的な行動につなげていきたい。

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会合ではそのほか、「プラスチック製買い物袋の有料化のあり方」等に関するパブリックコメント提出意見に関する審議等を行った。

【環境エネルギー本部】