Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2020年2月6日 No.3441  第2回デジタルトランスフォーメーション会議を開催 -「DX基準」をめぐり意見交換

中西会長

西村経済再生担当相

経団連(中西宏明会長)は1月27日、東京・大手町の経団連会館で、デジタル化に伴う横断的な課題を議論することを目的として設立したデジタルトランスフォーメーション(DX)会議の第2回会合を開催した。日本CTO協会(松岡剛志代表理事)から、同協会が昨年12月に公表した「DX Criteria(DX基準)」について聞くとともに意見交換を行った。

冒頭、中西会長は「デジタル化を課題解決につなげることによって、明るい未来を創るというのがSociety 5.0のコンセプトであるが、現実には、企業も政府もDXが進んでいない状況。経団連として、DXによって業界の垣根がなくなり、新たな産業が出てくることを前向きにとらえ、横断的な取り組みを進めていきたい」と語った。

続いて、来賓の西村康稔経済再生担当大臣から「デジタル化のスピードは想像を超えるもの。そうしたなかで、日本CTO協会の若い感性や意欲的な取り組みは刺激的なもの。本日の意見交換が双方にとって意義深いものになることを期待したい」と述べたうえで、政府として「デジタル・ニューディール」を国家戦略として展開し、Society 5.0実装に向けた予算措置や法整備に取り組む考えを示した。

その後、日本CTO協会は講演のなかで、「DXには、Digital Transformation(企業のデジタル化)とDeveloper eXperience(開発者体験)の二つの意味があり、その両輪からDXを進め、事業と技術の相互理解を深める必要がある」と指摘したうえで、各社が自己診断を通して現状を把握し指針を立てられるツールとして同協会が策定した「DX Criteria ver. 2019」の内容を紹介した。

その後の意見交換では、DXを推進するうえで「失敗を許容する文化」「既存部門と革新部門の相互理解」「タスク型ダイバーシティ」等が重要との指摘が相次いだ。

DX会議では、今後も横断的な議論を深め、提言として公表するとともに、産業横断の実プロジェクトを組成し、実装に向けた取り組みを加速させていく。

【産業技術本部】