Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2020年2月13日 No.3442  フラゴヤニス・ギリシャ外務副大臣との懇談会を開催 -エネルギー分野のプロジェクトへの投資を求める

左から清水部会長、越智副会長、フラゴヤニス外務副大臣、佐藤委員長

経団連は1月29日、東京・大手町の経団連会館でギリシャのコスタス・フラゴヤニス外務副大臣との懇談会を開催した。経団連側は越智仁副会長・ヨーロッパ地域委員長、佐藤義雄ヨーロッパ地域委員長、清水章ヨーロッパ地域委員会企画部会長らが出席した。

昨年の日本・ギリシャ修好120周年や、今年のオリンピック・パラリンピック東京大会を契機に、両国の関係強化が期待されている。フラゴヤニス外務副大臣は、ギリシャの政治や経済の状況について説明し、日本企業による投資を求めた。発言の概要は次のとおり。

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ギリシャは経済危機を克服し、昨年7月に発足した新政権のもとで政治と経済は安定している。国会では与党の新民主主義党が300議席中158議席を獲得し、ヨーロッパでは珍しく1党が政権を維持している。債務危機から脱却し、国債の利回りは昨年の5%から1%に下がった。また、失業率は低下傾向にある。

新政権は経済成長の実現に向けて、海外からの投資を積極的に誘致している。大臣と副大臣のうち20人が民間出身であり、ビジネス界と同じ土俵で話ができる。また、エンタープライズ・ギリシャという組織が海外投資に関する窓口を一本化し、審査の優先的な実施や簡略化といったサービスを提供している。

日本企業に投資を期待する分野としては、エネルギー産業が挙げられる。ギリシャは電力やガスの供給網を民営化しているほか、以下のプロジェクトを推進している。まず、環境保護のため、新政権は2028年までにすべての褐炭火力発電所を閉鎖することを決定し、太陽光発電や風力発電など再生可能エネルギーの利用を促進している。例えば、クレタ島で、太陽熱で液化させた塩による蒸気を使って発電するプロジェクトを開始した。また、ロシアやアゼルバイジャンから天然ガス、米国やアルジェリアからLNGを輸入するなど、南欧におけるエネルギーのハブを目指している。現在、地中海にパイプラインを建設し、ギリシャから欧州諸国に天然ガスを供給するプロジェクトを進めている。

ギリシャは治安がよく、観光業が主要産業の一つである。今後、日本とギリシャの相互の観光客を大幅に増やしたい。

【国際経済本部】