Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2020年3月5日 No.3445  中南米地域大使との懇談会を開催 -中南米地域委員会

経団連の中南米地域委員会(加瀬豊委員長)は2月21日、都内で日本・東京商工会議所とともに、中南米地域駐箚大使との懇談会を開催した。

冒頭、吉田朋之外務省中南米局長から、中南米地域の情勢や外交政策の基本方針について説明があった。吉田局長は、中南米地域でこの1年間で起きた政情不安等について、経済・社会格差や社会的セーフティーネットの未整備など構造的な問題も背景にあることを指摘し、今後もその動向を注視していく必要があるとした。経済界が強く求めているメルコスール(注)とのEPAに関しては、世界全体を見まわしても日本にとってEPAの空白地帯となっており、政府としても経済関係の強化は重要と認識しているとしたうえで、センシティビティーを考慮しつつ各界の意見に耳を傾けながら議論していきたいと述べた。

その後、アルゼンチン、コロンビア、チリ、ブラジル、ベネズエラ、ペルー、メキシコに駐箚する大使から、各国の政策方針や課題、今後の展望について説明があり、治安情勢やEPAの見通しなどについて参加者と懇談した。

閉会のあいさつで加瀬委員長は、6億人の人口と5兆ドルを超えるGDPを擁する中南米はわが国企業にとって魅力的な市場であり、これらの国々におけるビジネス環境がさらに整備され、中南米地域との関係がより強化されることを期待していると述べた。そのうえで、日本コロンビアEPAの早期妥結や、メルコスールとのEPAの進展に期待を示した。

(注)メルコスール(南米南部共同市場)=アルゼンチン、ブラジル、パラグアイ、ウルグアイから成る関税同盟

【国際協力本部】