Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2020年9月10日 No.3467  サステナブルファイナンス等をめぐる国内外の動向について金融庁と経産省から聴く -環境安全委員会国際環境戦略ワーキング・グループ

経団連環境安全委員会地球環境部会の国際環境戦略ワーキング・グループ(手塚宏之座長)は7月21日、東京・大手町の経団連会館で会合を開催し、金融庁の池田賢志チーフ・サステナブルファイナンス・オフィサー(CSO)と、経済産業省の梶川文博環境経済室長から、持続可能な経済活動への投融資を促す「サステナブルファイナンス」をめぐる国内外の動向や関連施策について説明を聴くとともに、金融業界を含めて今後の対応について意見交換を行った。概要は次のとおり。

■ 金融庁・池田CSO「サステナブルファイナンスの海外動向」

EUの「サステナブルファイナンス行動計画」では、経済活動がサステナブルかどうかを分類する「タクソノミー」の策定をはじめ、金融商品にかかるグリーンラベルの開発や、金融面の指標・ベンチマークの設定などが掲げられ、それぞれ議論が進展している。このうち、気候変動分野のタクソノミーは、2022年初からの適用が想定されている。

19年10月、欧州委員会は、サステナブルファイナンスに関するベストプラクティスの共有や国際的な連携・協調を図るプラットフォームとして、IPSF(International Platform on Sustainable Finance)を設置した。

現在、EUに加え13カ国が参加している。日本政府も招待されており、これに参加するかどうか経済界の意見も聴いたうえで判断したい。

■ 経産省・梶川室長「地球温暖化対策の現状」

わが国は今年3月に30年の温室効果ガス排出削減目標(NDC)を国連に提出し、今後「地球温暖化対策計画」の見直しに着手していく。国際的には、11月の米国大統領選挙の結果次第で、EUの「グリーンディール」政策等も相まって、地球温暖化問題への対応強化の機運がますます高まっていくとみられる。

サステナブルファイナンスに関して、すべての産業が一足飛びに脱炭素化するのは難しく、低炭素化に向けた移行(トランジション)も重要となる。そこで、今年3月に経産省の研究会において「クライメート・トランジション・ファイナンスの考え方」を取りまとめた。ICMA(国際資本市場協会)など国際的な議論にも働きかけており、今後は、国内でのガイドライン等を検討していく。

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意見交換では、複数の委員から、日本政府としてもIPSFに参加し、国際的な議論に積極的に関与すべきだとの発言があった。

【環境エネルギー本部】