Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2020年10月15日 No.3471  「改訂 Society 5.0の実現に向けた規制・制度改革に関する提言」を公表、河野大臣に建議 -with/postコロナの経済活動に不可欠な規制・制度改革75項目を提言

河野大臣(右)と筒井副議長(中央)、時田委員長(左)

経団連(中西宏明会長)は10月5日、「改訂 Society 5.0の実現に向けた規制・制度改革に関する提言―2020年度経団連規制改革要望」を公表し、10月6日、筒井義信審議員会副議長・行政改革推進委員長、時田隆仁同委員長が河野太郎内閣府特命担当大臣(規制改革)に建議した。

新型コロナウイルス感染症の拡大によって、わが国経済社会システムの脆弱性、デジタル化の遅れが明らかになった。同提言では、ポストコロナの社会像(Society 5.0)を見据えて規制・制度を抜本的に見直し、デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進することが不可欠と述べたうえで、with/postコロナ時代の経済活動に不可欠な規制・制度改革について、75項目の要望を取りまとめている。

菅義偉首相は、規制改革を政策の一丁目一番地に位置づけており、河野大臣のもと行政手続きの電子化等の検討が加速している。筒井副議長は、河野大臣への建議に際し、デジタル技術を活用した企業の業務効率化、テレワークの推進、新しい技術・サービスの導入を妨げる規制は深刻な課題であり、新型コロナを契機として規制改革を推進してほしいと要請。これを受けて河野大臣は、書面・押印・対面原則や常駐義務の見直しをはじめ、できるところからしっかり取り組んでいくと応じた。

10月9日には、両委員長が自民党の棚橋泰文行政改革推進本部長を訪問して同提言について説明し、規制・制度改革に向けて連携することで一致した。

なお、同提言の審議に先立ち、行政改革推進委員会は10月1日、井上裕之内閣府規制改革推進室長と規制改革推進会議における取り組みについて懇談した。

同提言の主な要望内容は次のとおり。

1. デジタル技術の活用を前提とした制度の見直し

非対面や非接触の技術・サービスの導入に向けて、常駐・専任要件、定期検査、報告義務はじめ、IoT、ドローン、遠隔監視システム等の活用を阻害する規制の撤廃・緩和を要望。また、無人配送ロボット等のデジタル技術を包含した制度を早期に整備し、社会実装・普及の道を拓くことも要請。

2. デジタルガバメントの早期実現

押印の完全撤廃、申請・届出の完全電子化を要望するとともに、道路使用許可申請はじめ自治体における手続きについては、国と自治体が連携して電子化を推進するよう要求。

3. テレワーク時代の労働・生活環境の整備

テレワークガイドラインの見直し、時間単位の年休や年次有給休暇に関する規制緩和を盛り込むとともに、在宅ワークスペースの活用も見据えた建築基準法の見直し、オンライン教育の普及等を要望。

4. ヘルステックの飛躍的普及

オンライン診療や服薬指導の恒久化、特定保健指導や産業医による面談のオンライン化を要請。また、医療ビッグデータの構築に向けて、個人情報保護に関する制度整備も要望。

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経団連は、引き続き規制改革推進会議はじめ政府・与党と連携し、規制・制度改革の実現に取り組んでいく。

【産業政策本部】