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Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2020年10月29日 No.3473 経団連・清華大学共同オンライン講座 -ポストコロナにおける中国のイノベーション戦略について聴く/中国委員会

経団連の中国委員会(進藤孝生委員長、佐藤康博委員長)は9月29日、中国の清華大学とともに「経団連・清華大学共同オンライン講座」を開催した。同講座は、昨年9月に経団連が清華大学と締結したMOU(協力覚書)(2019年10月3日号既報)に基づくもの。清華大学金融学院の田軒副院長から、スタートアップと金融市場の役割や今後の展望を中心にポストコロナにおける中国のイノベーション戦略について説明を聴くとともに意見交換を行った。概要は次のとおり。

■ 中国のイノベーション推進はCVCがカギを握る

中国の持続可能な発展にイノベーションは必須である。これを促すためには、第一に失敗に対する許容度の高い文化が求められる。イノベーションを担う主体は、独立系ベンチャーキャピタル(IVC)よりはむしろコーポレートベンチャーキャピタル(CVC)に期待が集まる。その理由として、CVCは、母体企業の戦略に即して主力となる産業分野へ積極的に投資を実行することが挙げられる。また、多くのパテントを獲得し、新規株式公開(IPO)やM&Aの実施を通じて成功を収めている。

流通市場においては、低い株式流動性、少ないアナリストの数、低頻度の情報開示など、CVCが市場からのさまざまなプレッシャーを受けない「それほど積極的でない」環境の方がイノベーション創出に集中できるとの研究結果がある。

他方、金融市場全体としては、安定したマクロ経済政策に基づき、健全で開放的であることが、イノベーションを創出するうえで重要である。

■ 日中両国が協力して取り組むべきイノベーション分野等をめぐり意見交換

続く意見交換では、佐藤委員長が、新型コロナウイルス感染症により、人々の生活環境や価値観が変わるなか、イノベーションのあり方を日中両国であらためて議論することが重要であると指摘。そのうえで、田副院長に中国が推進するイノベーション分野と日中協力の方向性について質問した。また、人民元の価値の安定や十分な外貨準備の確保などの課題に触れつつ、中国の金融市場の開放についての見解も求めた。

これに対して田副院長は、中国政府はデジタルトランスフォーメーション(DX)を発展の方向の一つとして重視している旨を説明。具体例として、デジタルプラットフォームの構築により行政サービスのワンストップ化を進めてきた浙江省の取り組みを紹介した。

また、日中間には、データ共有や産業サプライチェーンをはじめ協力できる分野は多岐にわたり、大きな余地があると述べた。

さらに、中国における金融市場の開放に関しては、国内投資家の育成も含めて慎重かつ秩序立てて進めていくべきであるとの考えを示した。

【国際協力本部】

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