Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2020年11月12日 No.3475  古賀震災復興特別委員長が被災地を視察 -トヨタ自動車東日本を訪問し幹部と懇談

経団連の古賀信行震災復興特別委員長は10月7日、被災地視察の一環で、宮城県大衡村のトヨタ自動車東日本を訪問した。

東日本大震災の発生から10年の節目を迎えようとするなか、東北地方の産業の再生は道半ばであり、復興の着実な推進に向けて、民間ベースでの支援の継続が欠かせない。今回の視察は、震災発生後に、トヨタグループ3社の統合により設立されて以降、同社において、サプライチェーンの拡大をはじめ、東北の復興に向けて継続されてきた取り組みを知り、意見交換を通じて復興の現状と課題を把握することを目的に実施したもの。

白根武史トヨタ自動車東日本会長の案内のもと、トヨタ東日本学園(企業内訓練校)やPRホール「結ギャラリー」、コンパクト車の組立工場などを視察した。

その後、同社が東北の発展に向けて掲げる「ものづくり」「地域連携」「人づくり」の取り組みについて、意見交換を行い、今後の復興支援に向けた視点として、次の3点が得られた。

第1は「新たな人が集まる地域づくり」である。人口減少下の地域社会の維持には、産業振興と雇用創出とともに、観光なども活用し、新たな人を招き入れる必要がある。

第2は「業種の垣根を超えた連携」である。農業など地場の産業において、意欲的に復興に取り組む人材との業種を超えた連携を通じて、生産性の向上や地域経済の発展に貢献していくことが大切である。

第3は「地域住民によるオーナーシップ型の地域づくり」である。生産工程における「カイゼン」活動では、社員一人ひとりの主体性が欠かせない。地域づくりにおいても同様に、地域住民が地域の課題をわがことととらえ、解決策の立案から実施まで主体的に取り組むよう促していくことが重要である。

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今回の視察は、震災復興の着実な推進に向けた活動の重要性を再認識する機会となった。

被災地の現状を踏まえ、経団連は、東北への関心を高め、東北産品の消費や東北への人の流れの創出に向けて「東北復興応援フェスタ」への積極的な参画を会員に求める。また、福島県による観光プログラムの作成への協力を行う。被災地視察は、復興支援活動の基盤として、来年度以降も継続して実施する。

【産業政策本部】