Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2020年11月19日 No.3476  第11回アジア・ビジネス・サミットを開催

あいさつする古賀審議員会議長

経団連は11月6日、第11回アジア・ビジネス・サミットを開催した。同サミットは、経団連の提唱により、2010年から毎年開催しており、今次会合は、コロナ禍を受け初めてオンラインで行った。12カ国・地域から14の経済団体のトップが参加し、アジアが直面する課題について議論を深めるとともに、共同声明を取りまとめた。

■ わが国の新型コロナ対応を説明。
  各国・地域は多様な施策で克服に全力

冒頭あいさつで古賀信行審議員会議長は、新型コロナウイルス感染症の克服と地域の持続的な成長と発展に向けて、「アジア経済界同士が団結して取り組みを進めていく必要がある」と強調。また、来賓の西村康稔内閣府特命担当大臣(経済財政政策)は、ビデオメッセージを通じて「新型コロナ後の経済社会のカギは、デジタル、グリーン投資、人への投資、自由貿易であり、スピード重視で着実に実行していく」と、日本政府の方針を明らかにした。

続くセッション1では、各国・地域の新型コロナへの対応状況等について情報共有を行った。シンガポールと台湾は、デジタル技術を活用して感染拡大の抑制に成功した事例を紹介。インド、インドネシア、マレーシア、ミャンマーは、官民一体で経済回復を図るとともに、中長期的な経済や産業の構造改革に取り組んでいることを説明した。

■ 諸課題を克服し、地域の持続的な発展を

セッション2では、アジアが直面する主要課題をめぐり意見交換を行った。「通商政策」では、コロナ禍もあって保護主義の動きがみられるなか、参加者から自由で開かれた国際経済秩序の再構築を求める声が強く上がった。そのための手段として、多国間枠組みのWTO改革、RCEPの早期実現やCPTPPの拡大をはじめとする経済連携の推進、貿易投資の円滑化、人の往来の早期再開などの指摘があった。

「インフラ」では、アジアの巨大な需要に応え、経済発展や連結性の確保に向けた継続的なインフラ整備の必要性を強調。「デジタル化」では、各国・地域が連携してデジタル技術の社会実装に取り組むことで意見の一致をみた。「環境・エネルギー」では、パリ協定の目指す温室効果ガス排出量「ネット・ゼロ」達成に向けて、イノベーションが不可欠であることを確認した。

最後に、これらの議論を踏まえ、共同声明を取りまとめた。各団体は、共同声明を各国・地域の政府に手交し、政策への反映を働きかける。

【国際協力本部】