Action(活動) 週刊 経団連タイムス 2022年3月10日 No.3536  自分らしさを大切に、自分らしいリーダーに -第24回リーダーシップ・メンター・プログラムを開催/東原副会長が講演

経団連は2月17日、会員企業各社の女性役員のさらなる活躍を応援する「経団連女性エグゼクティブ・ネットワーク」の活動の一環として、東原敏昭副会長(日立製作所会長)をメンターに迎え、東京・大手町の経団連会館で「第24回リーダーシップ・メンター・プログラム」を開催した。63名の女性役員が出席し、講演を聴くとともに意見交換した。講演の要旨は次のとおり。

■ トップダウンとボトムアップの両方が大切

大きな決断は徹底したトップダウンが必要だが、社員のやりがいを高めるためにはボトムアップが不可欠で、エンゲージメントが重要である。社員が業務のなかで社会への貢献を実感できれば、それは、日本や世界を変えていく大きな原動力となる。社員一人ひとりが、社会とのつながりを意識し、自分事ととらえることができれば、大きなことを実現できるのではないか。

■ 横並び文化をなくす意識が必要

この数年で社会課題も大きく変わり、1社では解決できない。社会イノベーション事業では企業や業界を超えた協創が必要だが、加速させるためには企業だけでなくNPOや市民も巻き込む必要がある。まさにダイバーシティ&インクルージョンである。

価値を創出していくためにはさまざまな国の文化の違いを理解しなければ、現地のお客さまに認められる価値を提供することができない。われわれはダイバーシティをもっと勉強する必要がある。多様な価値観を理解し、それをビジネスモデルに変えていくためには強いリーダーシップが必要である。

世界中でさまざまなことが変化している今、ダイバーシティ&インクルージョンを理解するためには「地域」「時間」「人々が考える価値観」の三つの軸で考える必要がある。そして、日本の横並び文化をなくし、個々人が思う方向に進むべきである。

■ リーダーとしてのあるべき姿

時代の流れや世の中の変化をとらえて、大きな方向を決めるのがトップの役割である。

それは、「未来のありたい姿」からバックキャストし、「現状」との溝を埋めるために組織に具体的な方向性や戦略を共有し、断固実行していくことだ。そのためには、「殻を破ること」「何のために生まれてきたのか、大義を考えること」「利他の精神を持つこと」が大切である。

常に考えるべきことは、自分がもしトップであれば、どのような決断をするか。そして、経営者として思い切って行動していくべきである。争うのではなく、日本や世界の将来を考えて補完し合う意識を持ってほしい。杓子定規にならず、自分らしさを大切に、自分らしいリーダーを目指してほしい。自分が覚悟を決めれば結果はついてくる。未来は、自分でつくるものだ。

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講演後、リーダーシップやその心構えなどについて活発な意見交換が行われ、東原副会長から多岐にわたるアドバイスが送られた。

【ソーシャル・コミュニケーション本部】