第42回NGO活動成果報告会
2007年9月7日開催
日本ウミガメ協議会の亀崎氏が「海岸侵食のために孵化できないアカウミガメの卵の保護移植」について報告
- アカウミガメは頭蓋が大きいのが特徴で、九州南部を中心に、4月末から8月にかけて産卵する。しかし今、アカウミガメは絶滅寸前の危機にあり、その危険度はパンダと同様の絶滅危惧IB類に指定されている(IUCN版レッドリスト)。日本ウミガメ協議会は、2006年度のKNCF支援を受けて、短期的・長期的、2つの側面からアカウミガメの保護に取り組んだ。
- 短期的保護として実施しているのは、卵の移植である。波打ち際や谷筋近くなど流失の可能性のある卵を、付近の高台や孵化場へ移動させるのだが、そこには様々な危険もある。1点目は移植中の振動や回転により胚が天地逆転し、孵化率が低下する。2点目は性決定の人為的操作の危険性。アカウミガメは砂中温度が29度〜30度を境として、低いとオス、高いとメスが産まれると言われている。適切な環境で孵化させないと、どちらか一方の性だけが産まれることになり、絶滅の危機につながる。これらの点に注意しながら移植をしても、移植巣の孵化率があまり向上しない。原因は迅速な移植であっても、転卵が生じる危険性があることが分かった。今後は孵化率を低下させない移植方法や、移植巣での簡便な温度管理手法の開発を、課題に挙げている。
- 長期的保護は適切な海岸管理である。現在、アカウミガメが産卵できる海岸は浸食され、砂浜が残ったとしてもむき出しになったテトラポットが邪魔をし、波打ち際など流失の危険がある場所にしか産卵できない。宮崎や沖縄では、港の整備事業を行った影響で波の動きが変化し、産卵地の砂が流失し海岸が侵食され、流失した砂が港に溜まった事例もある。不要な人工構造物の撤去や養浜など、現存する貴重な産卵海岸を守り、適切に管理していくことが求められている。
- アカウミガメに限らず、野生生物の保護は、研究者数人が集まって活動していても限界がある。そこには市民の協力が不可欠となってくる。2007年11月16日から18日まで、種子島にて第18回日本ウミガメ会議が開催される。
![]() |
![]() |
| (写真提供:日本ウミガメ協議会) | |







