第48回NGO活動成果報告会
マサイマラ環境保全プロジェクトチーム代表の小黒一三氏と、桐蔭横浜大学客員教授の松本守氏が、『マサイマラ国立保護区における生物多様性確保のための環境保全プロジェクト』について報告
マサイマラ国立保護区では、雨天の後のぬかるんだ黒色粘土質の土壌の上を、サファリカーが走行することにより、轍ができてしまう。土壌が乾くと轍には草が生えず、草原の喪失が野生動物の生息環境に悪影響を及ぼす。本事業は、土のう工法によって轍を埋める自然再生を目的とする。砕石を土のう袋に詰める工法を用いると、壊れても現地人が修復でき、尚且つスムーズな排水が可能となる利点がある。
初年度(2005年)は現地調査、対象地区の選定、保全計画の立案に取り組んだ。2年目(2006年)は専門家を派遣しての保全計画策定や保全工法の選定を行い、2007年の最終年には土のう工法による自然再生と事業効果の測定を実施し、持続可能な事業とするため現地にて技術者を育成した。活動の結果、300mの区間の轍が土のう工法によって修復され、積まれた土のうが雨で流されることは無かった。盛り上がった土壌からは草が生え、その上を野生動物が行き来する。日本からの技術移転は上手く現地に適合し、野生生物の生態系に回復の兆しが見えている。
今後はKNCFからの支援金で購入したトレーラーやトラックを活用して、現地レベルで行える再生活動を目指す。これまでは、土のう袋は日本から持ち込んだものを使用し、袋に詰める砕石は最寄りの採掘現場からトラックで運んでいた。今後は現地で調達できる土のう袋や、マラ川で採取できる砂で代用が利くかなどの試行を行っていく。また、それら試行確認と並行して、エコツアーガイドへの環境教育も継続し、サファリカーの道取りやスピード規制など、意識啓発にも務めていく。
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