アジア太平洋地域や国内の自然保護プロジェクトを支援する事業


日本経団連自然保護基金/日本経団連自然保護協議会


第55回NGO活動成果報告会

第55回NGO活動成果報告会

2008年9月26日開催

日本国際ボランティアセンター、下田寛宏氏、伊能まゆ氏より、『ベトナム北西部山岳地域住民参加型農村開発・環境保全事業』について報告

ベトナム北部山岳地帯における貧困村(少数民族)に対する支援活動を実施しており、本年度がその最終年度である。

北部の貧困村においては、急傾斜地のため、一人当たりの農地が小さく、自給自足を中心とした農業が営まれている。ベトナムはコメの輸出国であるが、北部においてはコメの自給も十分にできておらず、他の穀類や森からの採取で補っている状態である。したがって、子供の数も少ない。

一方、ベトナム経済は、ここ10年は8%以上の成長を続けており、海外からの投資も増加傾向にある。また、政府も貧困村対策を実施し、道路、電気、学校等のインフラ整備を進めつつある。

その影響で、近年、海外や都市部から、栽培作物としてトウモロコシが持ち込まれた。しかし、トウモロコシは土地をやせさせるため、地力が落ちてしまう、あるいは畑の作り方の問題で表土が流出してしまう、といった問題が発生している。また、新しい害虫や作物の病気も持ち込まれている。

このような現状に対し、JVCでは、傾斜地からの表土流出を止め、持続可能な農業を行うため、頂上部分には植林をし、ゆるい傾斜地を農地として使うこと、農地では土壌改善につながり食用や燃料にもなるマメ科の植物を栽培すること、土留めをすることなどを提唱し、実践している。コメの栽培についても、アヒル農法、魚農法(いずれも除草の手間を省くもの)、若苗の1本植え(収量が上がる)を勧めているが、これらは、以前は行われていた農法なのである。

支援をして実感するのは、農村関係事業での「情報・ノウハウ」の重要性である。この部分に支援することで、村は大きく変わることができる。それは、「よい」とわかれば現地の人も積極的に取り組むからである。近年は、農業技術に関する研修をしてほしいという要望を受けることが多くなった。その際、井戸掘りや水路作りの作業を、業者に請け負わせるのではなく、農民たちにやらせることが重要である。そうすることによって、彼らの学び、ノウハウになり、自信にもつながるからである。それによって情報・ノウハウは周辺地域も含めて、根付いていくのである。