アジア太平洋地域や国内の自然保護プロジェクトを支援する事業


日本経団連自然保護基金/日本経団連自然保護協議会


第58回NGO活動成果報告会

第58回NGO活動成果報告会

2009年2月10日開催

国境地帯における環境教育ネットワーク
−子供参加型環境教育カリキュラムを用いたアプローチ

ラックス・タイ財団
中薗 久美子 氏
プラティープ・ロナライ氏

タイで環境教育の活動を12年継続している。KNCFから支援を受けている今のプロジェクトは2年目であり、タイ北部のミャンマー・ラオス国境地域における活動と、ラオス・カンボジア国境地域の2箇所のプロジェクトのネットワーク化を進めている。この活動はタイ国王から表彰を受けることになった。

この地域における環境問題は、(1)ダム建設に伴う水没地住民の移転による耕地面積の拡大、(2)政府も奨励しているゴム植林の拡大、(3)その他、ゴミの増加や農薬の問題などである。これらはいずれも、コミュニティの意識や体制が欠如していることに原因があると見ており(国外からの出稼ぎ労働者の流入も見られる)、そこに支援の必要があると考え、住民の環境意識の向上とコミュニティの団結強化を活動目的としている。

対象者は、(1)子供(小4〜中3、8学校、624人)+教師21人、(2)ユースボランティア(21人)、(3)村の知恵者、である。具体的な方法としては、A)移動教室、B)ウォークラリー、C)マインドマッピング、D)エコクラブなどがある。A)移動教室は、地域の学校を巡回して学校のカリキュラムとして環境教育を行うもので、1校あたり年3回、1回あたり2泊3日のスケジュールで実施している。B)ウォークラリーは、設定された学習ポイントをめぐりながら、環境や自然に関する知識を得るもので、得られた知識をまとめた村の環境地図づくりなども行っている。C)マインドマッピングとは、得られた知識を基に、考えを深めていくプロセスで、最終的に自分たちが何をすべきか(行動計画)をつくる指導をしている。D)エコクラブは、さらに自主的に活動をしたい人が集まったクラブ活動のようなもので、現在10クラブにより12の活動が行われており、リサイクルクラブ、薬草園を作るクラブ、水質を調べるクラブなどがある。

今後の活動は、以下の2つに焦点を当てていく。第一は、コミュニティフォレストの保全である。コミュニティフォレストとは一種の里山のような入会地であるが、開発により失われつつある。第二は市場経済が浸透することに伴い発生したゴミ問題である。いずれも開発と関係があるので、自分たちの生活を見つめなおし、たとえば、伝統的な自給自足を行えば大量のゴミは発生しないといった知識を基に、開発のような新しい動きにどう対応するかをよく考えてもらうことが重要である。その原動力の一つが子供たちへの教育であり(子供がデータを集め発表すると大人が気がつく)、そこにコミュニティを巻き込んでいくことで大きな動きに育てていきたい。