第61回NGO活動成果報告会
中国大同市における多様性のある森林再生のモデルづくり 第三期
- (特)緑の地球ネットワーク
- 高見 邦雄 事務局長
1992年から黄土高原で緑化協力を続けてきたが、この地域は北京、天津の水源、風砂の吹き出し口として中国でも特に緑化活動に力を入れているところである。黄土高原の丘陵や山の斜面までが畑で、雨の度に土、水、肥料が逃げていくことから「三逃の畑」と呼ばれ、砂漠化の原因となっている。農民は耕地を広げざるを得なくなり、その結果、環境が一層破壊される「環境と貧困の悪循環」が起きている。
プロジェクトを開始した2〜3年は失敗の連続であったが、現在では黄土高原緑化の成功モデルとして中国全土から多くの見学者が訪れている。
小学校付属果樹園
緑化事業の継続には住民の協力が欠かせない。貧困から小学校に通えない児童がいるため、住民の年収を増やして通学を可能とすることで地域に貢献し、協力者とするよう考えた。小学校に付属の果樹園を建設し、そこにアンズを植え、その販売収益で年収は数倍となる実績をあげ、今では大学生が出るまでになった。アンズは種の中の杏仁が食用、漢方薬の材料になる。
霊丘自然植物園
多様性のある森林再生のモデルとして、ひと山(86ha)の100年の使用権を購入し、99年に建設した。様々な樹種の苗木を育て、植え広げ、現在、リョウトウナラやシラカンバは種を飛ばして天然更新を始めた。08年3月から日本の専門家による植生調査を実施しているが、胸高直径や樹高など好結果が得られている。
実験林場「カササギの森」
面積約600haの荒れ地に、乾燥と痩せ地に強いマツやこの地方の自生樹種を中心に広葉樹を試験的に植栽している。日本からも毎年250〜300人のボランティアが訪れ、植樹するなどで成果をあげている。
環境林センター
本プロジェクトの協力拠点であり、20haの敷地でアンズ、ポプラなどの果樹、広葉樹の育苗と研修などに使用している。育苗には菌根菌(植物の根に共生する微生物)を使用した指導をしている。
実験果樹園
06年から実験果樹園の建設を進め、20.5haの基礎建設が完了した。経済性のある有望品種を試験導入しており、果樹園からの収入を確保し、農民の生活向上を目指す。





