第64回NGO活動成果報告会
多様な主体の参加による「海の森づくり」のモデル事業
- (特)樹木・環境ネットワーク協会
- 澁澤 寿一 理事長
石井 玲子 理事
「海の森づくり」とは
「海の森づくり」は、東京湾に浮かぶゴミと残土で埋め立てられた島(台場沖の中央防波堤内側埋め立て地)を植樹活動により緑豊かな森に生まれ変わらせるという、東京都が進める循環型社会のシンボルであり、行政、都民、企業、大学、NPO等、多様な主体の参加による協働で実現しようとするものである。面積は約88ha(日比谷公園の約5.5倍)で、スダジイ、タブノキ、エノキ等、苗木で48万本を植栽し、2016(平成28)年に整備完了予定としている。
当協会は、東京都からの依頼で「海の森づくり」事業の事務局を務める形で参加。各主体との協働をモデル的に実施し、その有用性や課題を09年3月に報告書として取りまとめ、東京都に提案した。
苗木づくりから植樹
東京都が07年に開始した「苗木づくりボランティア」に毎年参加するとともに、08年11月と09年9月に東京都が実施した「植樹祭」に植樹リーダーとして参加し、参加団体との交流・連携のもと課題を提示し、その改善に努めた。
さらに、大学と協働で、「海の森づくり」が二酸化炭素の削減にどの程度貢献するのか具体的数値で提示するため、96年と08年の植樹地で「二酸化炭素吸収量の基礎調査」を08年5月より実施、削減効果が現れていることが分かった。今後も継続して調査をしていく。また、専門家や他の環境NPO との協働で、96年と08年の植樹地、および手入れをしていない草地で、〈植生〉〈昆虫〉〈鳥類〉〈哺乳類・爬虫類・両生類〉の4部門の「生物調査」を09年5月から実施。「海の森づくり」による自然環境再生への影響を調査し、活動の基礎データとする。
多様な主体が柔軟に参画できる体制整備
各主体の得意分野を活かした企業やNPO が柔軟に参加可能な体制・手法の確立に向け、各主体の参画による合意形成の場として分科会や委員会を開催している。また、皆で「海の森」をつくるという観点から、企業の活動参画への希望等について、企業アンケート調査を東京都と当協会との連名で実施予定である。さらに、東京都が09年度末に実施予定の植樹(2ha)では、継続的な参画を促す啓発プログラムと植樹活動を抱き合わせた内容を提案する。
東京都主導で参加者は受け身という現状から、各活動主体が自主的・自律的に企画運営ができる体制を提案し、東京都がこれらを整備することにより、当初の計画にある本当の意味での市民主導・参加の森づくりが実現される。
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| (写真提供:樹木・環境ネットワーク協会) | |







