アジア太平洋地域や国内の自然保護プロジェクトを支援する事業


日本経団連自然保護基金/日本経団連自然保護協議会


第65回NGO活動成果報告会

第65回NGO活動成果報告会

2009年10月28日開催

マングローブ植林『緑と青地球作戦』

マングローブ植林大作戦連絡協議会
加藤 茂 会長
マングローブ林事情

マングローブ林は、魚を始めとする生物資源生産力が極めて高く、地球温暖化防止にも寄与するなど重要な役割を果たしている。

タイのマングローブ林は60年代初頭には約36万8000ha存在したが、その後エビ養殖池への転換などで96年には約16万8000haへとその面積は半減以下となった。94年、プミポン国王の誕生日である12月5日に、パンガ―地区(タイ西側/アンダマン海側)で地元住民と10万本のボランティア植林を実施したところ、国内で大々的に報道されマングローブ林修復必要性の認識が広まった。

「緑の絨毯作戦」の成功

97年、タイ南部のナコンシタマラ地区で、廃棄されたエビ養殖池4000haの植林可能性調査をKNCFの支援で実施し、この成果を基にプロジェクト「緑の絨毯作戦」を立ち上げ、98年から07年の10年間で1000haに約500万本の植林を行った。

「緑の絨毯作戦」では、マングローブ林の回復を目指すだけでなく、地域振興と環境啓蒙・教育、炭素固定の場の構築、生物多様性生態系の修復と生物資源生産確保を目的に活動した。その成果を国際会議の場で発表、学術論文も作成した。さらに科学的、社会経済学的評価のできる研究にも取り組んできた。植林後、エビ、カニ、貝類など多種類の魚介類と鳥類が回帰し、地元住民にとっては魚介類を市場で売ることで貴重な現金収入の基礎ができた。中でもマッドクラブ(和名:ガザミ、カニの一種)は特に高額で出荷販売されている。

また、5000haを植林した場合の炭素固定量は、20年後に約40万t、50年後には約100万tが見込まれており、その推計からすると既に植林した1000haにおいては50年後に20万tの炭素固定が可能となる。今後間引きなどをしていくのでさらに光合成が進み炭素蓄積量は増えるものと考えられる。

成果を上げた「緑の絨毯作戦」をモデルに、地元関係者による植林が全国的に行われることとなり、半減以下となったマングローブ林は、04年には27万6000haとなり、60年代初頭の約75%にまで回復した。

「緑と青地球作戦」

「緑の絨毯作戦」の成果を基に、新たに「緑と青地球作戦」を立ち上げ、09年度KNCFの支援を受けて、植林した地区の枝打ちや間伐の実施をはじめ、生物多様性に資する活動を続けている。