第70回NGO活動成果報告会
阿拉善左旗における砂漠の生態系の持続可能な復元事業
- ECOLOGIA
- カロリン・シュミット プログラム・ディレクター
砂漠化が進む内モンゴル自治区と遊牧民
中国・内モンゴル自治区・阿拉善左旗の住民は、何世紀にもわたって遊牧民としてこの地域に住んでいるモンゴル人で、ヒツジなど飼って暮らしている。現在この地域は砂漠化の進行が深刻で、主な原因はカシミアを取るためのヤギの過剰放牧による植生の劣化である。植生の減少と、風などによって砂丘が水辺まで迫るほど拡大が進み、これまで肥沃だった土地や水にも悪影響がでている。また遊牧民自身にも、こうした環境劣化が生存上、物理的・文化的に悪影響を及ぼしているとともに、世界的なカシミアの生産拡大による価格の下落に対する収入維持のためヤギの頭数を増やし、更なる悪循環に陥っている。

The current deva station
Several decades of over-grazing by goats
for cashmere fiber have contributed
to serious desertification.
野生のサクラを植樹
この悪循環を断ち切るため、野生のサクラを植えるプロジェクトを、遊牧民自身が考えだし、我々はその有効性を調査・確認した。今、KNCFの助成により、実際にプロジェクトが進んでいる。具体的には、地元の共同組合から土地を借りて野生のサクラを植樹し、同時にサクラと共生できる農作物を植える。これにより土壌の安定、農作物の収穫、砂漠化への対応が期待できる。そのことで遊牧民にとっては安定した生活基盤構築も見込まれる。彼らにとっての経済的メリットは、植樹したサクラから取れる果実がモンゴルで伝統的な薬の原料として換金作物となることである。これによりヤギの頭数を増やす必要がなくなる。また植樹によって地域の植生が回復すれば、ラクダやヤギの放牧にも好影響が期待できる。
遊牧民の積極的参画
植樹したてのサクラが、ラクダやヤギの食害被害に合わないよう、フェンスで囲うが、ある程度成長すると、余分な枝などを剪定する意味でフェンスを取りラクダやヤギを近づける。この約4Kmにも及ぶフェンス設置に、地域住民が自らオーナーシップを持って見返りも求めずに率先して動いてくれた。このようにプロジェクトと地域住民がしっかり繋がっていることが重要である。
エコロジアとしては、この地域で環境と経済の両方が持続可能な形になるように促していきたい。地域の遊牧民が自分たちの時間や工数などの資源を提供して、積極的にプロジェクトの意味を理解して参画していることはまさに特筆すべきことである。

The use of fences
Grazing animals need to be fenced out
while the trees are young and growing
HOWEVER
Goats and camels are actually needed to
"prune back" overgrowth once plants are well established





