アジア太平洋地域や国内の自然保護プロジェクトを支援する事業


日本経団連自然保護基金/日本経団連自然保護協議会


第71回NGO活動成果報告会

第71回NGO活動成果報告会

2010年6月9日開催

雲南省「三江併流」世界自然遺産における生物多様性に富む森林文化村づくり

アジア緑色文化国際交流促進会(AGA)
和 愛軍 会長
高橋 勇一 副会長
世界自然遺産「三江併流」地域の現状

世界自然遺産の中国雲南省の「三江併流」は、世界でも唯一の奇観を呈している。高山峡谷、雪峰氷河、高原湿地、森林草地、淡水湖といった絶景と希少・貴重な動植物に恵まれている。また多様な景観だけでなく、生物や民族文化の多様性にも富む。しかし、経済発展優先の政策の下で急速な開発が進む中、地域住民の貴重な自然への認識もまだ浅く、自然保護を巡る地域の紛争も頻発し、貴重な動植物が危機にさらされている。


出典:世界自然遺産 アジア・オセアニア編(ケンメディア,2006年)
図1 中国雲南省「三江併流」世界自然遺産地域
プロジェクトの目的

ダム建設・観光開発・違法伐採などで、環境の劣化や生物多様性が失われつつある「三江併流」雲南自然保護地域群において、中国初の「森林文化村」の形成とその持続可能な発展を目的として、モデル森林を設置・施業し、生物多様性に富む森林文化村づくりを行い、普及啓発用の生物多様性保護センターや森林文化宣伝教育センターも継続して整備する。日中韓共催の森林文化や生物多様性フォーラムなどを企画し、常に世界に発信する。プロジェクトの主な対象地は雲南省・麗江市の桃花村、吉余農園および九子海村である。特に桃花村は「森林文化第一村」(http://www.forest-culture.org/)であり、九子海村はサクラソウなど生物多様性の宝庫なので、保全を優先した「世界サクラソウ園」やエコツーリズムも推進する。

2009年度の活動

普及啓発活動と保全・再生活動を一層推進のため、既に設置した生物多様性保護センターを森林文化村に連携し統合した。その中で里山に具体的なモデル森林を設置し、持続可能な「三和施業システム論(現代法正林システム論や森林環境計画論、複層林など最先端理論)」を森林文化村の中で展開している。さらに行政や地域住民などの協働で、選定した林地の間伐・枝打ち・下刈など環境整備を実施した。またサクラソウの自生地である九子海村で、環境保全を考慮したエコツーリズムを調査・計画している。それらと並行して、環境教育や1200人に及ぶ現地住民と協働で大規模な植林を行った。他方、整備された生物多様性保護センターにおいて、森林文化村づくりの担い手となる現地住民への研修会を実施した。また、第二回アジア森林文化国際シンポジウムを共催した。一方、冬には桃やクルミなどの経済林を栽培し、福祉的経済林も造成した。

このように、危機に瀕している貴重な自然生態系と生物多様性の保全・回復と地域住民の環境意識及び生活向上と安定に、このプロジェクトは大きな成果をあげつつある。

生態系を改善、「緑の砂漠」を改造

図2 森林文化村における植林活動