Policy(提言・報告書) 総合政策  GDP600兆円経済への確固たる道筋をつける -2017年度事業方針-

2017年5月31日
一般社団法人 日本経済団体連合会

デフレ脱却と経済再生を確実に実現し、GDP600兆円経済への確固たる道筋をつける。これが、現下の日本経済の最重要課題であり、経団連ビジョン「『豊かで活力ある日本』の再生」で描いた経済・社会を創り上げるための必須条件である。

そのためには、金融政策、財政政策に続き、成長戦略を推進すべきことは論を俟たない。成長戦略の柱である「官民戦略プロジェクト10」の内、Society 5.0の実現、消費の喚起といった先行するプロジェクトでは、着実な成果が上がりつつある。引き続き、官民が英知とリソースを結集し、10のプロジェクト全てについて、早期具体化を図らなければならない。

同時に、国内の構造改革を進め、経済社会基盤を強化することも不可欠である。とりわけ、国民の間に根強い将来不安の払拭に向けて、経済成長を通じた所得・生活環境の継続的な改善に加え、社会保障制度改革や財政健全化など、痛みを伴う改革にも真正面から取り組み、明るい未来への展望を切り拓いていかなければならない。併せて、人口の減少が見込まれる中では、生産性の向上に繋がる、働き方改革を進めていくことも欠かせない。

一方、世界に目を転じれば、反グローバル化や保護主義が台頭しつつあり、先行きに暗い影を落としている。こうした時にあって、自由で開かれた国際経済秩序の維持・発展を牽引していくことは、日本の経済界の使命である。安倍政権においても、G7が結束して反グローバル化や保護主義に対抗するよう、強力なリーダーシップを発揮することを求めたい。

東京オリンピック・パラリンピックや万国博覧会をはじめとする国家的イベントの成功、震災復興の加速と「新しい東北」の実現という、オールジャパンで総力を挙げるべき別格の課題もある。

経団連は、創立70周年の節目を迎えた。本年度は、これまでの70年間で築き上げてきた実績を礎に、政治との連携を一層強化しながら、下記の重要政策課題に果敢に取り組む。特に、「イノベーション」と「グローバリゼーション」を推進すると共に、企業がSDGs(注)に取り組むよう促すことで、日本および世界経済の安定的かつ持続的な発展に貢献する。経団連改革も、引き続き積極的に進めていく。

  1. 1.成長戦略の推進
    1. (1) 科学技術イノベーションの促進
    2. (2) Society 5.0の実現
    3. (3) 消費の喚起
    4. (4) 地域経済の活性化
    5. (5) 農業の競争力強化
    6. (6) 観光の振興
    7. (7) 規制改革
    8. (8) 起業・中堅企業の活性化
  2. 2.経済社会基盤の強化
    1. (1) 財政健全化・社会保障制度改革
    2. (2) 法人税改革
    3. (3) 経済成長と両立するエネルギー・環境政策の構築
    4. (4) 電子行政の推進
    5. (5) サイバーセキュリティの強化
    6. (6) 都市機能の充実
    7. (7) 子育て世代に対する環境整備
    8. (8) SDGsへの企業の取り組みの推進
  3. 3.働き方改革と多様な人材の活躍促進
    1. (1) 働き方改革
    2. (2) 女性の活躍推進をはじめとするダイバーシティ推進
    3. (3) 若年社員・高齢社員の活躍推進
    4. (4) 外国人材の受入れ
    5. (5) 人材育成の推進
  4. 4.経済外交の積極展開
  5. 5.国家的イベントの成功
  6. 6.震災復興の加速と防災・減災対策の強化
以上

(注)SDGs(Sustainable Development Goals、持続可能な開発目標):「持続可能な開発のための2030アジェンダ(2015年9月、国連サミットで採択)」に掲げられた、持続可能な世界を実現するための国際社会全体の目標。貧困の撲滅、質の高い教育の提供、気候変動への対策など、17のゴールと169のターゲットから成る。

アクション・プログラム

1.成長戦略の推進

(1) 科学技術イノベーションの促進

経団連は、オープンイノベーションの推進に向けて、企業と大学・研究開発法人が「組織」対「組織」として本格的に連携する、イノベーション・エコシステムの構築に取り組む。そのためには、大学・研究開発法人改革が必要であることから、「産学官連携による共同研究強化のためのガイドライン」の着実な実行などを求めていく。さらに、日本の科学力を将来にわたって高めるため、官民合わせた研究開発投資の対GDP比4%以上の達成を目指す。具体的には、「総合科学技術・イノベーション会議」の司令塔機能を強化しつつ、現行のSIP#1を維持・拡充したうえで、各省の事業にもSIP型のスキームを導入すること、また、ImPACT#2やFIRST#3型のプログラムを実施することなどにより、政府研究開発投資の対GDP比1%を確保し、スピード感を持ってイノベーション促進に向けた施策を展開するよう働きかける。あわせて、対GDP比3%を目指し、企業の研究開発投資の増額を呼びかける。

(2) Society 5.0の実現

経団連は、Society 5.0の実現を目指し、(1)都市活動全体のデジタル化・最適化、(2)地域未来の社会基盤づくり、(3)全体最適化されたモノ・コト・サービス基盤の構築、(4)インフラ・インフォマティクスによるパラダイムシフト、(5)Society 5.0を深化させるサイバー空間の実現を優先領域として定め、オープンイノベーションのもとで具体化を進める。その際、Society 5.0が、高齢化、災害・テロ、環境・エネルギー問題など、社会的課題の解決に資する点についての理解促進を図る。また、Society 5.0の実現の前提条件として、官民データ活用推進基本法に基づくオープンデータほかの施策の着実な推進、改正個人情報保護法の円滑な施行、国境を越えるデータの自由な流通の確保など、データ利活用促進に向けた環境整備を働きかける。さらに、サービス産業のスマート化による生産性向上に取り組む。

あわせて、ライフサイエンス、ヘルスケア、バイオなどについても検討を深める。

(3) 消費の喚起

経団連は、官民連携のもと、個人消費の喚起に向けて、将来不安の払拭に取り組む。また、「プレミアムフライデー」を継続的に実施し、地方への浸透を図りつつ、国民的行事としての定着を目指す。

(4) 地域経済の活性化

経団連は、「地方創生に向けた経団連アクション・プログラム」を実行する。具体的には、地方経済懇談会の開催や地方自治体の首長との懇談を通じて、地域が抱える課題の共有や成功事例の横展開を図るとともに、会員企業と地域の中小企業とのビジネスマッチング等を促進し、地域経済の成長力引き上げに貢献する。あわせて、地域自らが主体的に独自の戦略を策定・実践できるよう、将来的な道州制も見据えつつ、地方分権改革を推進する。

農業や観光といった地域資源の活用に資する取り組みも進めていく。

(5) 農業の競争力強化

経団連は、「経済界と農業界の連携プラットフォーム」を積極的に活用し、連携プロジェクトの早期実現を目指すと同時に、新規案件の組成を進める。また、生産基盤の整備や成長力の向上につながるよう、農地所有適格法人への出資規制の緩和、農地集積を通じた経営規模の拡大、輸出環境の整備などを働きかける。

(6) 観光の振興

経団連は、都市・地域での消費の喚起・創造、訪日外国人を含めた旅行者数の拡大、受け入れインフラの整備、良質なDMO#4の形成に資する施策の推進をはじめ、「観光立国推進基本計画」の着実な遂行を働きかける。国内観光需要の喚起に向けて、学校休業日の分散化および企業における年次有給休暇の取得を促進する。また、高度観光人材の育成に向けて、「経団連観光インターンシップ」を継続実施する。

(7) 規制改革

経団連は、規制改革が成長戦略の中核であるとの認識のもと、民間の創意工夫のさらなる発揮を阻む障壁の除去などに取り組む。その一環として、引き続き、重点テーマを設定した規制改革要望を取りまとめ、規制改革推進会議の答申や実施計画に反映させる。また、2016年度に提出した要望の実現状況を評価し、必要な働きかけを行う。

(8) 起業・中堅企業の活性化

経団連は、時代を牽引する新たな基幹産業の育成に資するベンチャーの創出が不可欠との認識のもと、府省横断的なベンチャー支援に関する国家戦略の策定を働きかける。また、「東大・経団連ベンチャー協創会議」を中心に、高い研究開発力を基にしたベンチャーの創出・事業成長、起業家人材の育成に向けた大学との連携を推進する。さらに、「スタートアップ都市推進協議会」と共に、地方ベンチャーの創出・育成に向けたグッドプラクティスづくりを進める。

2.経済社会基盤の強化

(1) 財政健全化・社会保障制度改革

経団連は、2020年度のプライマリーバランス黒字化に向けた「経済・財政再生アクション・プログラム」の着実な実行を働きかける。特に、2018年度の診療報酬・介護報酬の同時改定や、「経済・財政再生計画改革工程表」における2017年度の検討事項に関する議論などを通じて、社会保障給付の適正化・効率化、制度の持続性確保を求めていく。2019年10月の消費税率再引き上げの確実な実施を目指して、その必要性の周知を図る。また、官民挙げて、健康立国の実現に取り組む。

(2) 法人税改革

経団連は、国際的な税負担のイコールフッティングに向けて、OECD諸国平均や競合するアジア近隣諸国並みの法人実効税率25%の実現を目指す。

(3) 経済成長と両立するエネルギー・環境政策の構築

(エネルギー)

経団連は、エネルギー基本計画の見直しにあたり、安全性の確保を大前提に、エネルギー安全保障、経済性、環境適合性のバランスのとれたエネルギーミックス、とりわけ、原子力と化石燃料の有効活用を通じた、経済性ある価格での安定的なエネルギー供給の確保を求める。

また、原子力を重要なベースロード電源として活用するための理解促進に取り組む。あわせて、安全性が確保された原子力発電所の再稼働に加え、バックエンドまで含めた核燃料サイクルの推進を働きかける。さらに、再生可能エネルギーをめぐる課題の解決に向けた環境整備や、集中型・分散型エネルギーのベストミックスなど、新たなエネルギーシステムのあり方について、政府施策などの動向を踏まえつつ検討し、必要な働きかけを行う。

(環境)

経団連は、日本の地球温暖化対策の中期目標の実現に向けて、「経団連低炭素社会実行計画」を着実に実行するとともに、国民への啓発活動などを通じた家庭部門のCO2大幅削減や、低炭素製品・サービスの開発・普及を通じた地球規模での温暖化対策の推進に貢献する。また、「第5次環境基本計画」の検討などに際し、環境・省エネ技術のイノベーションに資する環境整備を促進する観点から、規制的手法をめぐる動向を注視しつつ、経済成長と両立する環境政策の推進を働きかける。

(4) 電子行政の推進

経団連は、電子行政の推進に向けたトップダウンの体制整備、マイナンバー制度の積極活用などを働きかける。行政手続のIT化に関しては、省庁横断、国・地方を通じて、「デジタルファースト(紙から電子への原則転換)」「ワンストップ」、「ワンスオンリー(同一内容の情報を行政機関ごとに収集しない)」「書式・様式の統一」の推進を引き続き求めていく。

(5) サイバーセキュリティの強化

経団連は、サイバー空間の信頼性、健全性、堅牢性の確保に向けて、脅威情報や分析結果などの情報共有、セキュリティ人材の育成、重要インフラを中心にセキュリティレベルの高いシステムの構築、国際連携の推進を働きかける。あわせて、業界内・業界間の情報共有体制を定着させる。

(6) 都市機能の充実

経団連は、地域の特徴を活かしつつ、PPP#5/PFI#6を通じた民間による公共施設の効率運営、ストック効果の最大化のための社会資本整備、既存住宅流通・リフォーム市場の活性化など、都市の生産性向上に資する施策を働きかける。

また、東京をはじめとする三大都市圏やそれに準ずる大都市については、世界の都市間競争を念頭に、新技術・新産業を生み出すグローバル拠点として、高度外国人材の呼び込みに必要な教育・医療機関の整備、国際交流の核となるMICE#7施設の整備と国際会議やイベントの誘致を進めるなど、国際都市にふさわしい機能の充実に資する施策の実施を働きかける。

(7) 子育て世代に対する環境整備

経団連は、男性の育児休業取得の促進や企業による保育所設置をはじめとする仕事と子育ての両立支援、若者の雇用・所得の安定的拡大を呼びかける。子育て支援の拡充に向けて、高齢者に手厚い歳出構造の見直しや税財源の確保を働きかける。

(8) SDGsへの企業の取り組みの推進

経団連は、企業が経営戦略にSDGsの概念を取り込むよう促し、事業活動を通じて社会的課題の解決に貢献することで、経済社会全体の持続的発展を目指す。その一環として、SDGs達成の観点から「企業行動憲章」および「同実行の手引き」を見直し、企業の内外におけるCSR#8の実践を促す。

3.働き方改革と多様な人材の活躍促進

(1) 働き方改革

経団連は、「働き方・休み方改革集中取り組み年」の総括を行ったうえで、引き続き、セミナーの開催などを通じて、生産性向上を伴う働き方改革の機運醸成、ワーク・ライフ・バランスの実現に取り組む。その一環として、健康経営の普及、テレワークをはじめとする働きやすい環境整備を進める。長時間労働の是正および同一労働同一賃金の実現に向けては、法制度の見直しが企業実態を踏まえた内容となるよう働きかけるとともに、職場風土や労働慣行の変革を促し、企業への浸透を図る。また、継続審議扱いとなっている労働基準法改正法案の早期成立を求める。さらに、意欲と能力のある非正規労働者の正社員への転換や待遇の改善を呼びかける。

(2) 女性の活躍推進をはじめとするダイバーシティ推進

経団連は、女性の活躍を推進するため、引き続き「女性役員・管理職登用に関する自主行動計画」の策定・更新を呼びかけるほか、管理職を目指す若手女性を対象とした「女性チャレンジ支援講座」、管理職やダイバーシティ推進の担当者を対象とした「ダイバーシティ・マネジメントセミナー」、理工系女子人材の育成のための「夏のリコチャレ2017」の開催など、「女性活躍アクション・プラン」を着実に推進する。さらに、「リーダーシップ・メンター・プログラム」の開催や、海外のエグゼクティブとの交流を行う。

ダイバーシティ推進の一環として、企業におけるLGBT#9への対応について検討を行う。

(3) 若年社員・高齢社員の活躍推進

(若年社員)

経団連は、キャリア教育の強化に向けて、産学官の連携のもとで学校教育段階における仕事体験の機会拡大に取り組む。また、若年社員の定着に向けて、風通しの良い職場づくりや適切な能力開発の機会の付与など、積極的な取り組みを呼びかける。加えて、早期離職した若者の再チャレンジを支援するため、公的職業訓練の強化を求めると共に、中途採用などの多様な採用機会の拡充を呼びかける。

(高齢社員)

経団連は、「定年前からの意欲の維持・向上」「高齢期における活躍の場の拡大」「社内体制の整備と職場風土の醸成」を高齢者の活躍に向けた支援の3つの柱として挙げ、取り組みの推進を呼びかける。

(4) 外国人材の受け入れ

経団連は、高度人材の積極的な受け入れに向けて、「高度外国人材グリーンカード」の円滑な導入、外国人留学生の日本企業への就職支援の強化を働きかける。ダイバーシティ経営の推進、長時間労働の是正、人事制度改革など、日本企業において高度外国人材が就労しやすい環境の充実を呼びかける。また、社会・生活基盤を維持するために真に必要な分野の外国人材についても、受け入れ促進を求める。

(5) 人材育成の推進

経団連は、「グローバル人材育成推進事業」を実施する。「第3期教育振興基本計画」に、グローバル人材やイノベーション人材に求められる素質・能力の育成につながる教育改革を盛り込み、その実施に必要な安定財源の確保を図るよう働きかける。大学に対しては、社会経済環境の変化を踏まえた将来構想の検討とともに、自主的な改革への取り組みを促し、各大学が強みや特色を生かし魅力ある大学づくりを進めるよう求める。また、特に高度理系人材については、企業ニーズも踏まえた幅広い知見を有する人材の育成に向けて、産学連携のもとで検討を深める。

4.経済外交の積極展開

(自由で開かれた国際経済秩序の維持・発展)

経団連は、海外の経済団体との協力のもと、自由で開かれた国際経済秩序の維持・発展に積極的に取り組む。TPP協定の経済的・戦略的意義を訴え、参加国に早期批准を促すとともに、同協定に盛り込まれた先進的なルールがアジア太平洋地域に適用されるよう働きかける。反グローバル化・保護主義に歯止めをかける観点からも、日EU EPAの早期実現を求めていく。アジア・ビジネス・サミットや日中韓ビジネス・サミットなどを通じて、包括的で質の高い日中韓FTAやRCEP#10を推進する。

(インフラ輸出の促進)

経団連は、官民連携のもと、対象とする国・分野を重点化するなど、インフラ・システムの海外展開を戦略的に推進する。

(米国)

経団連は、米国事務所を拠点に、新政権や議会、州政府、経済界とのネットワークを構築し、日本企業の米国経済への貢献の実態の周知に努めるとともに、経済協力関係の一層の強化を図る。あわせて、米国の経済・通商政策に関する情報収集を行う。

(欧州)

経団連は、英国のEU離脱により在欧日本企業の活動に大きな支障が生じることのないよう、英国・EU双方に働きかける。また、日EU EPAの早期実現を図るとともに、日EU間の規制・制度の整合性・透明性の確保や規格・基準の調和・相互承認などの規制協力を推進する。

(ロシア)

経団連は、8項目の「協力プラン」の実現を積極的に支援する。その一環として、引き続き、ビジネス環境の改善を働きかける。

(アジア)

経団連は、各国の官民リーダーとの政策対話などを通じて、緊密で互恵的な関係を強化・発展させる。また、人材育成やネットワークの形成など、中長期的な視点からの取り組みを拡充する。

中国については、2017年は日中国交正常化45周年、2018年は日中平和友好条約締結40周年という節目の年であることから、「日中交流促進実行委員会」を設置し、「日中グリーンエキスポ2017」をはじめ、記念行事を官民協力のもとで実施する。また、日中経済協会および日本商工会議所との合同訪中代表団を派遣するとともに、「日中企業家及び元政府高官対話」を開催する。

設立50周年を迎えるASEANについては、ミッション派遣や合同会議の開催などを通じて、各国との連携・協力の一層の強化を図る。

5.国家的イベントの成功

(東京オリンピック・パラリンピック等)

経団連は、「オリンピック・パラリンピック等経済界協議会」などを通じて、大会組織委員会などとの連携のもと、大会の成功に向けた全国的な機運の醸成ならびにレガシーづくりに積極的に協力する。その際、障害の有無・年齢・性別・国籍などに関わりなく、誰もが安心・安全・快適・便利に暮らせるユニバーサル社会の実現に向けた課題について検討する。また、大会に向けては、企業経営者が全国各地のアスリートやそれを支える関係者と交流し、直面する課題を共に考える取り組みを継続しながら、支援を具体化していく。ラグビーワールドカップの開催成功にも貢献する。

国家的イベントの成功に向けて、サイバー・フィジカル両面におけるセキュリティの高度化に取り組む。

(万国博覧会誘致)

経団連は、東京オリンピック・パラリンピックなどに続く万国博覧会の開催は、日本の持続的な経済成長に資するとともに、Society 5.0の発信、国際化や観光振興にもつながるとの認識のもと、大阪誘致に向けて「2025日本万国博覧会誘致委員会」と協力し、BIE#11加盟国への働きかけを行う。

6.震災復興の加速と防災・減災対策の強化

(震災復興)

経団連は、国民の記憶の風化防止、東北の産業の再生・振興や風評の根絶に取り組む。具体的には、復興庁と連携しながら、新たな販路開拓や商流の構築に資するイベントの開催などを通じて、被災地産品の消費拡大、被災地への観光や企業立地の促進を呼びかける。

(防災・減災)

経団連は、防災・減災対策や国土強靭化を推進する。特に、BCP#12/BCM#13の実効性向上をはじめとする防災・減災に係る制度・運用面(ソフト面)の改善、ICTの積極的な利活用(特に災害情報連携システムの構築)、社会資本整備の着実な推進と建築物の防災・減災対策強化(ハード面)における官民連携の促進に取り組む。

以上

  1. SIP:Cross-ministerial Strategic Innovation Promotion Program(戦略的イノベーション創造プログラム)
  2. ImPACT:Impulsing Paradigm Change through Disruptive Technologies(革新的研究開発推進プログラム)
  3. FIRST:Funding Program for World-Leading Innovative R&D on Science and Technology(最先端研究開発支援プログラム)
  4. DMO:Destination Management/Marketing Organization
  5. PPP:Public Private Partnership
  6. PFI:Private Finance Initiative
  7. MICE:Meeting, Incentive, Convention, Exhibition
  8. CSR:Corporate Social Responsibility(企業の社会的責任)
  9. LGBT:Lesbian, Gay, Bisexual, Transgender
  10. RCEP:Regional Comprehensive Economic Partnership(東アジア地域包括的経済連携)
  11. BIE:International Exhibitions Bureau(博覧会国際事務局)
  12. BCP:Business Continuity Plan(事業継続計画)
  13. BCM:Business Continuity Management(事業継続マネジメント)