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Policy(提言・報告書) 総合政策 当面の課題に関する考え方 (2018年3月)

2018年3月12日
一般社団法人 日本経済団体連合会

1.日本経済の現状と見通し

日本経済は緩やかな回復基調にある。輸出や企業の生産活動の持ち直し、好調な企業業績、雇用・所得環境の改善を背景に、景気の拡大基調が続く見通しである。ただし、足もとで不安定化している金融資本市場の動向への注視が必要である。

2.春季労使交渉

賃金引上げへの社会的期待が非常に高まっている中、多くの企業において、自社の労働組合の要求内容を踏まえ、回答指定日に向けて、労使で真摯な議論を重ねている。経済界は、デフレからの完全な脱却と経済の好循環のさらなる拡大のため、従来より踏み込んだ処遇改善を図ることで、賃金引上げのモメンタム強化に努めていく。

3.震災復興

東日本大震災から7年が経過する中、官民が一体となって、根強く残る風評を払拭し、産業復興を実現する必要がある。経団連としても、引き続き被災地産品の購入、被災地への観光などを呼びかけるとともに、新たな商流の創出につながる活動を展開する。

4.Society 5.0の実現

IoT、AI、ロボット等の革新技術や多様かつ大量のデータの活用によって、政府、産業、社会のデジタル化を進め、経済成長と社会的課題の解決を両立するSociety 5.0(超スマート社会)を実現する。それに向けて、サイバーセキュリティの確保、データ活用のための制度整備、将来の有望成長分野に対する設備投資や研究開発投資の拡大、大学やベンチャー企業等とのオープンイノベーションを促す環境整備を行うとともに、官民による具体的なプロジェクトを推進する。併せて、国連の掲げるSDGs(持続可能な開発目標)が達成された社会の姿としてSociety 5.0を国内外に発信していく。

5.多様な人材の活躍推進と働き方改革

女性の社会進出による消費の拡大や新たな市場の創出等に着目しつつ、女性の活躍をより一層促進する。同時に、LGBTの人々への配慮や、若者、高齢者、外国人、障害者など多様な人材の活躍促進に取り組む。また、時間外労働の上限規制、同一労働同一賃金の導入、高度プロフェッショナル制度の創設等を柱とする働き方改革関連法案の今通常国会での確実な成立を働きかけるとともに、裁量労働制の対象拡大のための法案の再提出を求めていく。同時に、企業における働き方改革を加速するとともに、正社員化など非正規の処遇改善に努める。

6.米国、欧州、ロシアとの経済関係

米国政権・議会との関係を構築し、経済関係をより強靭なものとすべく、ミッションの成果などを踏まえ働きかけを強化する。アジア太平洋地域における包括的で高水準の貿易投資に関するルールづくりを前進させるため、先般チリで署名されたTPP11の早期発効と将来的な参加国の拡大を求めていく。日EU EPAの可能な限り早期の批准・発効を働きかけるとともに、英国のEU離脱に伴う経済へのマイナスの影響を最小限に抑えるべく、暫く現状を維持する移行措置への早期合意を含む柔軟な対応を求めていく。ロシアとの8項目の「協力プラン」の実現に積極的に協力するとともに、ロシアにおけるビジネス環境の改善を引き続き働きかけていく。

7.アジア諸国との経済関係

世界経済のけん引役として期待される、中国、韓国、インド、ASEANをはじめとするアジア諸国との緊密で互恵的な関係を更に強化・発展させていくことは、わが国の成長戦略としても極めて重要である。経団連としても、地域経済統合の推進、インフラ整備の促進をはじめ、各国の官民リーダーとの政策対話を通じて、協力関係の促進に取り組んでいく。

8.中長期のエネルギー戦略策定

エネルギー基本計画の見直しにおいて、S+3Eの同時達成を通じ、国際的に遜色ない価格での安定したエネルギー供給の実現を求める。わが国固有の事情を踏まえた戦略の必要性を訴えつつ、石炭を含む化石燃料の高効率利用の重要性、安全性の確認された原子力発電所の再稼動、再生可能エネルギーの導入拡大と国民負担軽減の両立等を求めていく。

以上

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