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Policy(提言・報告書) 総合政策 当面の課題に関する考え方 (2019年6月)

2019年6月10日
一般社団法人 日本経済団体連合会

1.日本経済の現状と見通し

景気は、中国経済をはじめとする海外経済の減速や米中貿易摩擦の影響を受けて、輸出・生産での弱い動きや、景況感の一部に悪化がみられる。他方、内需を支えるファンダメンタルズは堅調である。緩やかな回復傾向は継続。雇用・所得環境の改善に伴う個人消費の持ち直しの動き、堅調な設備投資などを背景に、先行き緩やかな回復傾向が続くことを期待する。ただし、米中貿易摩擦に伴う海外経済の先行きや、輸出・生産の動向、国内外の金融資本市場の動き、欧州の政治情勢とその影響、地政学的なリスク等に留意が必要である。

2.Society 5.0の実現

デジタル革新と多様な人々の想像力・創造力の融合により、社会課題の解決と新たな価値の創造を図る未来の社会の姿=Society 5.0を、国連の掲げるSDGs(持続可能な開発目標)の達成にも貢献する日本発のコンセプトとして、国内外に発信し普及浸透を図る。同時に、経済社会のあらゆる側面でのデジタル革新と多様化を進め、国内外の多様な主体と連携してSociety 5.0の実装を加速する。このため、さまざまな産業・分野におけるSociety 5.0の具体像とその実現に向けた取り組みを、経団連を挙げて検討し、実行していく。

3.働き方改革とダイバーシティの推進

働き方改革関連法への企業の対応を支援するため、政府に様々な働きかけを行うとともに、裁量労働制の対象拡大のための法案の再提出を求めていく。さらに政府における改正女性活躍推進法や改正労働施策総合推進法等(ハラスメント防止対策)、改正障害者雇用促進法、新たな外国人材の受入れ制度への動きに対応する。この他、今後求められる人材像や中長期的な採用、大学教育改革のあり方等について、大学との対話を進める。また、女性の活躍を通じた消費の拡大、市場の創出(ウーマノミクス)を推進するとともに、LGBTの人々への配慮を含む、若者、高齢者、外国人、障がい者など多様な人材の活躍促進(ダイバーシティ)に取り組む。

4.米国、欧州、ロシアとの経済関係

米国との経済関係を強化すべく、二国間通商交渉の進展も睨みながら、様々なレベルで米国とのコミュニケーションを密にするとともに、機微技術に関わる政策動向を注視していく。アジア太平洋地域における貿易投資に関するルールづくりを推進するため、昨年末に発効したTPP11の参加国の拡大を求めていく。2月に発効した日EU EPAを基盤に欧州との協力関係を深化・拡大させる。甚大な影響を及ぼす無秩序な英国のEU離脱を回避し、現状を維持することを最優先すると共に、離脱後の英国とEUの緊密な関係を構築する枠組みを移行期間終了直後に発効させるよう、EUと英国に対応を求めていく。ロシアとの8項目の「協力プラン」の実現に積極的に協力するとともに、ロシアにおけるビジネス環境の改善を引続き働きかけていく。

5.アジア諸国との経済関係

世界経済のけん引役として期待される、中国、インド、ASEANをはじめとするアジア諸国との緊密で互恵的な関係を更に強化・発展させていくことは、わが国の成長戦略としても極めて重要である。経団連としても、地域経済統合の推進、インフラ整備の促進をはじめ、各国の官民リーダーとの政策対話を通じて、協力関係の促進に取り組んでいく。

6.国家的イベントの成功

間近に迫った東京オリンピック・パラリンピック等の成功を、日本経済活性化の起爆剤とすべく、政府や関係組織と一体になって取り組む。

7.環境・エネルギー問題

パリ協定に基づく長期成長戦略が、イノベーションを通じて環境と成長の好循環を目指すものとなるよう求める。海洋プラスチック問題に関して、G20の場等を活用し、産業界による自主的取組みを国内外に発信する。エネルギー政策に関し、提言「日本を支える電力システムを再構築する」に基づき、わが国固有の事情を踏まえS+3Eを同時達成すべく、強靭なエネルギー供給に向けた投資環境整備や、国際的に遜色ない価格での安定したエネルギー供給の実現を求めていく。

以上

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