Policy(提言・報告書) 環境、エネルギー  環境と成長の好循環に向けたコロナ後の経済社会の再設計(Redesign) -脱炭素社会実現に向けた環境省・経団連の連携に関する合意-

2020年9月24日
環境
(一社)日本経済団体連合会
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〔総論〕

  1. 1.コロナ危機と気候危機という2つの危機に直面する中、経済社会をより持続可能でレジリエントなものへと再設計(Redesign)し、環境と成長の好循環を創出することが求められている。とりわけ気候変動問題の解決には、革新的技術開発とその地球規模の普及が不可欠である。こうした観点から、環境省と経団連は、パリ協定に掲げられた脱炭素社会の実現を目指し、緊密に連携を図っていく。

  2. 2.あわせて、わが国のNDC(国が決定する貢献)#1の着実な実現に向け協力するとともに、技術開発や生活様式の変化を踏まえ、更なる削減努力を追求していく。

〔脱炭素社会の実現〕

  1. 3.脱炭素社会の実現に向け、経団連は「チャレンジ・ゼロ」イニシアチブを強力に推進する。環境省は、他の政府機関と協力し、経団連及び会員企業等の取組を後押しする。

  2. 4.さらに環境省と経団連は、TCFD#2やSBT#3、RE100#4などの我が国企業の脱炭素経営推進に向け連携を図る。

〔パリ協定に基づくNDCの着実な達成〕

  1. 5.経団連は、パリ協定に基づくNDC達成に向けた主体的取組を着実に実行するとともに、環境省は、他の政府機関と連携して、フォローアップ・支援を行う。

〔サステナブル・ファイナンス/ESG金融〕

  1. 6.経団連は、脱炭素社会の実現に資する技術開発やトランジションの推進のため、情報開示を含むサステナブル・ファイナンス/ESG金融を積極的に推進する。環境省は、他の政府機関と連携し、サステナブル・ファイナンス/ESG金融推進に向けた環境整備を行う。

〔定期的な意見交換等〕

  1. 7.環境省と経団連は、上記1.から6.の推進に向け、定期的な意見交換等を行う。また、環境と成長の好循環に向けたコロナ後の経済社会の再設計(Redesign)と、「脱炭素社会」、「循環経済」、「自然共生・分散型社会」への移行(「3つの移行」)、その未来像としての地域循環共生圏、Society 5.0 for SDGsの実現に向けた取組についても連携を図る。

以上

  1. 中期温室効果ガス削減目標。パリ協定の下、各国は5年ごとに更新・提出。
  2. 金融安定理事会(FSB)によって設立された「気候関連財務情報開示タスクフォース(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)」の略称。2017年6月、企業による気候関連財務情報開示の自主的枠組みとなる最終報告書(通称:TCFD提言)を公表。
  3. Science Based Targetの略称。世界の平均気温上昇を「2℃または1.5℃未満」に抑えるため、企業に対して科学的な知見と整合した削減目標を設定するよう求める国際イニシアチブ。
  4. 企業活動で消費する電力を100%再生可能エネルギーで調達することを目標に掲げる企業が加盟する国際イニシアチブ。