会長コメント/スピーチ 会長コメント  米倉名誉会長ご逝去に際しての中西会長談話

2018年11月21日
一般社団法人 日本経済団体連合会

突然の悲報に接し、驚きと悲しみに包まれています。

米倉さんは、世界経済がリーマンショックの余波から完全に抜け切れず、日本経済も長引くデフレにある中、経営者が自信を取り戻し、民間の知恵と力で日本を再生させなければならないとの強い意志の下、「未来都市モデルプロジェクト」を提唱・主導され、イノベーションと国民生活を結びつける取り組みを全国各地で推進されました。

東日本大震災という未曾有の国難に際しては、自ら陣頭に立ち、その復旧・復興に全力を尽くされました。発災当日に対策本部を立ち上げ本部長に就任され、与野党はじめ警察、自衛隊、在京大使館など関係方面との緊密な連携の下、また、会員企業の力を結集し、被災地への迅速かつ効果的な燃料・救援物資の提供、被災各県の知事とのホットラインの開設、ボランティア活動への各種支援など、経済界によるさまざまな活動を主導されました。

また、消費税率の8%への引き上げを働きかけ、財政健全化・社会保障制度改革の道筋をつけられる一方で、国内外での精力的な働きかけにより、TPP交渉への日本の参加や日EU EPA交渉の開始などを実現されました。さらには、スポーツ振興にも力を注がれ、東京オリンピック・パラリンピックの誘致実現など、大きな成果をあげられました。

「国民とともに歩む経団連」をモットーとされた米倉さんは、自由経済、自由貿易をなんとしてでも守り抜くという固い信念をお持ちの、生粋のリベラルな経営者、リーダーでした。米倉さんが目指された明るく、輝かしい日本、世界の実現に向け、克服すべき課題はいまだ山積しております。米倉さんの思いを受け継いで、経団連は経済社会の発展に向け、全力で取り組んでまいります。

謹んで哀悼の意を表します。

<ご参考>
米倉経団連会長の就任期間: 2010年5月27日~2014年6月3日

以上