会長コメント/スピーチ 会長コメント  G20大阪サミットに関する中西会長コメント

2019年6月29日
一般社団法人 日本経済団体連合会

わが国が初めて議長国を務めたG20大阪サミットが成功裏に終了した。米中貿易摩擦や地政学的緊張など世界経済の下方リスクへの対処とSDGsを中心とした地球規模課題の解決に向けた貢献が求められる中、経団連が推進し、本年3月のB20東京サミットでも賛同を得たSociety 5.0を実現するという方向性が共有されたことは大きな成果である。参加各国の発展段階や経済体制も異なる中、サミット議長として共通点・一致点を見出し、「大阪宣言」(首脳宣言)を取りまとめられた安倍総理の力強いリーダーシップに深い敬意を表したい。

各政策分野についても、「自由で公平かつ無差別で、透明性があり、予測可能で安定的な貿易及び投資環境」の実現、WTO改革の推進、信頼性のある自由なデータ流通、イノベーションを軸とした環境と経済の好循環、質の高いインフラ投資の促進に向けた原則など、B20の提言が広範かつ具体的な形で首脳宣言に反映されており、高く評価できる。

これらを含め、首脳宣言に盛り込まれた課題は、いずれも一朝一夕で解決できるものではない。今後は、今回のサミットで得られた政治的モメンタムをベースに、8月のフランス・ビアリッツでのG7サミットでさらに突っ込んだ議論を行うとともに、来年のG7/G20サミットにおいても進捗状況を確認する等、具体的な行動・成果に繋げていくことが重要である。

経団連は、来週、フランスのエクス=アン=プロヴァンスで開催されるB7サミットに参加して議論をさらに深めるとともに、B20議長団体として、来年のサウジアラビアでのB20サミットの開催に協力していく。

以上