会長コメント/スピーチ 会長コメント  2022年春季労使交渉・集中回答日における十倉会長コメント

2022年3月16日
一般社団法人 日本経済団体連合会

今年の春季労使交渉にあたり、経団連は、「人への投資」の観点や「成長と分配の好循環」実現への社会的な期待も考慮しながら、各企業が自社の実情に適した対応を検討する「賃金決定の大原則」に則り、新しい資本主義の起動にふさわしい「賃金引上げ」と「総合的な処遇改善」に積極的に取り組むよう、様々な機会を捉えて働きかけてきた。

こうした中、各企業が主体的に判断した結果として、本日の回答が示されたものと受け止めている。とりわけ、自動車や電機、鉄鋼など、わが国の基幹産業を中心に、ベースアップ実施だけでなく、昨年や一昨年の金額を超えるベースアップや賞与・一時金の回答が多く、労働組合に満額回答した企業もみられるなど、賃金引上げのモメンタムは着実に維持・強化されていると率直に評価したい。

さらに、これまでの回答内容は今後、交渉が佳境を迎える多くの企業、特に賃金引上げを前向きに検討している企業にとって追い風になると心強く感じている。

大切なステークホルダーである働き手に対し、賃金引上げを通じて収益・成果を適切に分配することは、企業の責務である。多くの企業において、社会性の視座に立った検討を行った結果、賃金引上げの機運がさらに醸成され、拡がっていくことを強く期待する。

以上