会長コメント/スピーチ 記者会見における会長発言  記者会見における米倉会長発言要旨

2014年5月19日
一般社団法人 日本経済団体連合会

【4年間の会長任期を振り返って】

<東日本大震災>

就任して一年も経たずに、東日本大震災が発生した。経団連では、震災発生直後に対策本部を立ち上げ、(1)義援金の呼びかけ、(2)燃料や救援物資輸送のための高速道路の緊急車両通行許可の働きかけ、(3)自衛隊や会員企業との協力による陸海空の物流ルートの確保、(4)被災各県の知事とのホットライン開設と協力強化などに取り組み、被災地の皆様のお役に立てたと思っている。今なお26万人を越える方々が仮設住宅で生活されている。政府には、本格的なまちづくりに力を入れてほしい。

<未来都市モデルプロジェクト>

経済を担う企業こそ勇気をもってイノベーションを加速すべきとの考えから、最先端の技術を用いて国内11の都市で実証実験を行う「未来都市モデルプロジェクト」に取り組み、環境、医療分野などで技術革新を進めることができた。

<経済連携>

経済連携協定促進のため、海外にも頻繁に赴き、TPP、日中韓FTA、日EU EPAの交渉開始を働きかけた。特に、日本の非関税措置の撤廃を主張するEUとのEPAは、業界同士の対話を行うことを提案し、ドイツのメルケル首相、英国のキャメロン首相、欧州理事会のファンロンパイ議長の賛同と欧州産業界の支持を得て交渉が始まった。TPPは、政治のリーダーシップを発揮して、大筋合意を実現してほしい。

<農業の競争力強化>

JAグループとの間でワーキンググループを設け、産業界と農業界の連携策をとりまとめた。また、経団連会員の150社・団体による292件の農林漁業の活性化に向けた取り組み事例を公表した。農業は食料供給という重要な役割を果たす。高齢化、後継者不足、耕作放棄地拡大などの課題を克服し、若者にとって魅力的な産業にすることが重要である。

以上