日本経団連は5月23日、スロヴァキア共和国のミクラーシュ・ズリンダ首相の表敬訪問を受け、ヨーロッパ地域委員長を務める米倉弘昌副会長らが懇談した。
冒頭のあいさつで米倉副会長は、2003年にスロヴァキアを訪問した際に、EU加盟への強い思いや国の制度を抜本的に変えようという同国の強い熱意に感銘を受けたことを披露。その後、同国が2004年5月にEUに加盟したことや、05年5月に欧州憲法条約を批准したことを挙げ、「貴国がEUの拡大と深化に貢献していることをたいへん喜ばしく思っている」と語った。
これを受けてズリンダ首相は、「わが国は半世紀にわたり欧州と分離されてきたが、EUへの参加に希望を持ってきた。国民の83%がEU加盟に賛成している。わが国の加盟によりEUに新しい風を吹き込めればうれしい」と述べるとともに、スロヴァキアが世界とのパートナーシップを発展させるため、一律的課税制度の導入や、学校制度、健康保険制度で大胆な改革を断行したと説明した。
また、ズリンダ首相は、日本との関係をさらに緊密化させたいとの意向を示し、スロヴァキアの現状や利点について、(1)いくつかの外国自動車産業が直接投資をしている (2)ロシアへの玄関口として投資に最適である (3)近隣諸国との関係が安定しており交流が活発である (4)機械や電子機器などに経験を有している (5)人件費が比較的低廉である――などと語った。
これに対し米倉副会長は、スロヴァキアは人口が少ないため労働力を大量に必要とするプロジェクトは展開しづらいが、技術水準が高く、大量に労働力を必要としない産業には向いているとして、引き続き日本でもスロヴァキアの知名度を高める方策を考えていきたいと述べた。