経済くりっぷ No.2 (2002年7月23日)

7月2日/中東・北アフリカ地域委員会(委員長 渡 文明氏)

日本からのIT、大型インフラ・プロジェクトへの投資を期待


渡 中東・北アフリカ地域委員長は、7月2日、来日中のアブドッラー・ヨルダン国王を滞在先に表敬訪問し、両国経済関係の一層の強化等について懇談した。

両国経済関係の強化に熱弁を振るう
国王(右)と渡委員長

発言要旨

I.アブドッラー・ヨルダン国王

  1. ヨルダンと日本は、皇室・王室間の活発な往来が伝統的にあり、非常に緊密な関係を維持している。しかし、経済分野の協力強化は、これからである。ヨルダンは、この数年で大きく変化し、さまざまなビジネスチャンスがある。経済界の方々に、ぜひ、わが国を訪問いただき、実際の変化を見てほしい。とにかく「百聞は一見にしかず」である。

  2. 経済改革を行っており、海水淡水化や発電所など民間主導による大型プロジェクトも多い。製薬、IT、観光なども有望な分野である。こうした分野において、日本企業の協力を得て、両国の経済関係を強化していきたい。

  3. ビジネス環境の整備にも力をいれている。2000年には、WTO加盟を達成し、米国、EU、アラブ諸国とFTA(自由貿易協定)を締結するなど、貿易自由化を進めている。投資の面においても、外国人投資家の保護のため、投資関係法の整備を進めている。ヨルダンに投資する企業については、自国企業と同様に扱い、投資の安全を確保している。

  4. 中国企業の進出が目立っている。外国企業でも自由貿易ができるアカバ経済特別区に進出し、ヨルダンを拠点にして、諸外国に製品輸出を行おうとしている。

  5. ヨルダンには、アラブ世界において最も教育水準が高く、若く競争力に富んだ労働力がある。進出した外国企業は、こうした優秀な労働力を活用することができる。

II.渡 中東・北アフリカ地域委員長

  1. 貴国は中東の要に位置し、中東和平プロセスに積極的に取り組んでおられる。国王の働きかけによって、1日も早く、平和的解決がもたらされることを期待している。

  2. ペトラの遺跡(映画インディジョーンズの舞台としても有名)や死海など貴重な観光資源があり、観光を軸とする高い経済発展の可能性をもっている。肥料やタバコなどの分野では、すでに日本企業が進出しているが、観光やインフラ整備の分野でも協力が進むことを期待している。

  3. 国王から、ご指摘のあったように、現地を視察する機会をもちたい。

《担当:国際協力本部》

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