経済くりっぷ No.3 (2002年8月13日)

7月24日/日本ミャンマー経済委員会(委員長 広瀬俊彦氏)

日本ミャンマー経済委員会2002年度総会を開催


日本ミャンマー経済委員会は7月24日、2002年度総会を開催し、2001年度事業報告・収支決算、役員改選、2002年度事業計画・収支予算、委員会規約の一部改正を原案通り承認した。また議案審議の後、駐日ミャンマー連邦大使館のソゥ・ウィン公使参事官兼代理大使の挨拶に続き、外務省アジア大洋州局南東アジア第一課の高橋妙子課長より「最近のミャンマー情勢と日本ミャンマー関係について」と題して話をきいた。

I. ソゥ・ウィン代理大使発言要旨

  1. 小泉総理が本年1月にシンガポールで発表した日ASEAN協力の「5つの構想」

    1. 日ASEAN包括的経済連携構想、
    2. 2003年日ASEAN交流年、
    3. 教育、人材育成分野での協力、
    4. 「国境を越える問題」を含めた安全保障面での協力、
    5. 東アジア開発イニシアティブ(IDEA)、
    については、タイやフィリピンなどが日本と交渉を始めつつあり、ミャンマー政府としてもこの動きに追随していきたい。

  2. 日本経団連は、両国のビジネス関係の促進に大きく貢献している。私どもとしては、引き続き、経済・貿易関係の強化および技術協力などを通じた両国の友好関係の深化に向けて協力していきたい。

II. 高橋課長説明要旨

  1. 1988年に発生した全国的な民主化運動を国軍が武力で鎮圧後、軍部が国権を掌握した。それ以後、軍政とスー・チー女史率いる民主化勢力との対立というミャンマー問題が続いている。2000年4月以降、ラザリ国連事務総長特使が、政権(国家平和開発評議会(SPDC))とスー・チー女史との間の関係改善のために尽力し、2000年10月より、政権がスー・チー女史との直接対話を開始し、現在も継続中である。

  2. 最近、ミャンマー情勢に良い動きが見えており、本年5月6日朝、ミャンマー政府は、(1)政治犯の釈放の継続、(2)テロ、麻薬、AIDS問題に関する近隣および遠方の国々との協力、(3)全ての国民の政治プロセスへの自由な参加の決定を発表し、スー・チー女史に対する行動制限措置を解除した。

  3. 行動制限措置解除後、スー・チー女史は、首都ヤンゴン市内および同市郊外にある国民民主連盟(NLD)支部、カレン州の寺院等を訪問したほか、UNICEF、UNDP、わが国の人道支援プロジェクトを視察した。また、スー・チー女史が批判してきたミャンマー政府の橋梁建設・灌漑プロジェクトを視察するなど、前向きな変化が生じている。

  4. 今後は、スー・チー女史に対する行動制限措置の解除による民主化に向けた流れを不可逆なものとするため、政治犯のさらなる釈放や、政府とスー・チー女史との対話を信頼醸成段階から実質的な政治対話へ進展させるなど、一層の働きかけを行う。また、民主化のプロセスが加速化されれば、国造りの努力に対する支援にも一層前向きに取り組んでいきたい。

《担当:国際協力本部》

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