経済くりっぷ No.4 (2002年9月10日)

7月30日/日本トルコ経済委員会(委員長 梅田貞夫氏)

日本トルコ経済委員会2002年度総会を開催


日本トルコ経済委員会では、2002年度定時総会を開催し、2001年度事業報告・収支決算、2002年度事業計画・収支予算を、原案通り承認した。当日は、バシュクット駐日トルコ大使より、最近のトルコの政治経済状況と日本トルコ経済関係の展望について説明をきくとともに懇談した。

I.バシュクット大使説明要旨

1.トルコの国内情勢

エジュビット政権は3年間の長命な連立政権を維持しており、議会制民主主義の下で、政権内では不協和音等はあるものの、これまで安定していた。本年5月、EU正式加盟に不可欠な国内法整備を巡る与党内での意見対立および首相の健康問題を巡り、政党間の対立・分裂が生じた。与党3党とも支持率が20数%弱であり、単独政権を樹立するのは困難な状況にあることから、今後も脆弱な連立体制を維持していかざるを得ない。本年12月頃を目途に総選挙が行われることになるとみられ、政治は安定する方向に向かっている。

2.経済情勢

国内経済は、2000年11月と2001年2月の2度にわたる金融通貨危機および 9.11同時多発テロの悪影響によって、2001年は−8.5%のマイナス成長であった。しかし、本年度は1〜6月期4.4%のプラス成長になるとみられ、インフレ率も32.7%とかなり落ち着いてきている。12月に総選挙が実施されれば、マクロ経済もさらに安定的に推移していくことになるであろう。

3.対日関係

トルコはアジアとヨーロッパを結ぶ東西の要所であり、周辺地域の大国である。最近ではヨーロッパ市場の一部として、対EU市場向けの生産基地として捉えられている。
二国間貿易では、ドイツをはじめ欧米勢がトップ3を占めている。トルコ経団連(DEIK)はこのような状況に対して、日本が経済規模にふさわしい努力をすることを要望している。来年は「日本におけるトルコ年」であり、二国間のさまざまな分野における関係強化が望まれる。この関連で本年10月、東京で日本経団連と協力して「トルコITセミナー」を開催することになっている。
また、トルコは観光資源が豊富であり、観光産業分野での両国の協力が重要である。欧州からの観光客が多いので、良質な観光インフラを備えている。日本からの観光客の数が増えることを望んでいる。

II.質疑応答(要旨)

日本経団連側:
トルコ国内、特に都市部での治安問題をどう考えるか。

バシュクット大使:
欧米の観光客で賑わっている事実を注視して欲しい。
《担当:国際協力本部》

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