経済くりっぷ No.4 (2002年9月10日)

7月31日/日本アルジェリア経済委員会(委員長 重久吉弘氏)

日本アルジェリア経済委員会2002年度総会を開催


日本アルジェリア経済委員会では、2002年度定時総会を開催し、アルジェリア国内情勢の著しい改善に伴い、本年秋頃、首都アルジェにおいて第4回合同会議の開催を決定するとともに、2001年度事業報告・収支決算、2002年度事業計画・収支予算を、原案通り承認した。当日は、ベンジャマ駐日アルジェリア大使より、最近のアルジェリアの国内情勢と日本・アルジェリア経済関係の展望について説明をきくとともに懇談した。

○ ベンジャマ大使説明要旨

1.内政と国内経済情勢

デーフリカ大統領体制になりアルジェリアは政治・社会的に安定した。民主主義が浸透し、本年5月には上下両院の総選挙が行われ、10月には国内政治基盤のコア部分を形成する市議会選挙が予定されている。治安も大都市部を中心にここ数年間で著しく改善された。現在では、テロ事件は南部山岳地帯で起きているにすぎない。テロの対象も人口密度の極めて低い農村地帯に絞られ、被害者のほとんどが農民や牧童である。テロに対して国際協力が最も重要であり、9.11米国同時多発テロ事件以降は、欧米諸国との協力関係が一層強化されてきている。

2.経済情勢

国内経済は大変良好で、石油およびガスの増産および経済の自由化推進によりここ6年間でGDP成長率がゼロから約3%程度になった。アルジェリア政府は抜本的な経済構造改革を推進するとともに、緊縮財政を断行してきた。その結果、マクロ経済全体が回復基調となり、懸念されていたデット・サービス(輸出に対する対外債務元利払いの比率)は20%以下にまで改善されてきている。

3.日本・アルジェリア経済協力の展望

アルジェリア国民は、日系企業のアルジェリア国内での事業展開を高く評価している。しかし、日本経済の規模からすると、まだまだ不十分である。アルジェリア政府は、経済再生3ヵ年計画を発表し、70億米ドルの公的資金を投入することとなった。同計画にはエネルギー、天然ガス・石化大型プラント、道路・上下水道等建設事業、IT、金融関連設備等の魅力的な案件が多数含まれている。これらの案件への日本からの直接投資が増えることを期待している。
現在、日本からの輸出規模は年間約3億米ドル程度にすぎない。日本企業が国内に常駐オフィスまたは支店等を出すなどして、対アルジェリア輸出を拡大することを期待している。具体的な案件および要望等については今秋開催予定の合同会議の場で意見交換したい。
また、9月下旬にケレル エネルギー大臣兼スナトラック(石油公団)総裁が来日する。アルジェリア側エネルギー関係の最高責任者であり、日本アルジェリア経済委員会と意見交換したい。

《担当:国際協力本部》

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