7月29日/カナダ委員会(委員長 吉野浩行氏)
日本経団連総会において日本カナダ経済委員会から改組されたカナダ委員会では、さる7月29日、改組後初めての会合を開催し、ロバート・ライト駐日カナダ大使を招いて、カナナスキスサミットの成果と日加経済関係のあり方などについて話をきくとともに意見交換を行った。
サミットでは、(1)テロとの戦い、(2)アフリカの開発問題、(3)国際経済の発展のために取るべき措置の3つが主な議題となり、それぞれについてG8の協力が確認された。(2)に関してはアフリカ諸国の投資環境整備などで日加両国の産業界が協力する余地は大きい。また、サミットに並行して開催された日加首脳会談では、2003年春にも小泉首相のカナダ訪問が実現の見通しとなったが、これも両国経済関係強化の良い機会となろう。
カナダ経済は、良好な連邦財政、研究開発と教育を重視したイノベーション戦略の成功などを背景に、G7諸国中でも最高の成長を記録しており、今年から来年にかけて3.5%から4.5%のGDP成長率が予測されている。
カナダ委員会には、(1)地球環境問題、(2)コーポレートガバナンス、(3)競争力強化、などの問題についてカナダ側産業界、政府との意見交換および協力の促進を期待している。またWTOの新ラウンドへの対応でも両国の政府・産業界が協力できる余地は大きいのではないか。
さらに、カナダ委員会とカウンターパートであるカナダ経営者評議会(CCCE)の間で日加間の産業協力に関する分野別ケーススタディを行うことも考えられる。例えば燃料電池、ソフトウェア、環境、航空宇宙、バイオなどの分野ではすでに日加間で産業協力が進んでおり、検討に適した分野ではないか。
日加間の貿易投資関係の活性化のために両国政府は支援を惜しまないが、何よりも産業界が行動を起こすことが必要であり、日本経団連のリーダーシップとアドバイスに期待している。