経済くりっぷ No.4 (2002年9月10日)

7月31日/サブサハラ地域委員会(委員長 安崎 暁氏)

第2回日本・南アフリカビジネスフォーラムに向けて


サブサハラ地域委員会では、本年10月20〜25日に南アで開催する第2回日本・南アフリカビジネスフォーラムのための打合会を開催した。当日は、外務省中東アフリカ局の小田野展丈アフリカ審議官より、カナナスキス・サミットで重要議題として取りあげられたアフリカの動向について話をきいた。

○ 小田野審議官説明要旨

1.注目を浴びるアフリカ

今年6月のカナナスキス・サミットでは、国際テロと世界経済に加え、アフリカ問題が大きな柱となった。アフリカは、エイズ、飢餓、内戦、汚職、治安の悪さといった暗い話題が目につき、これらが世界全体の混乱要因になりかねないという危機感が生じている。一方、アフリカにもようやく自助努力の機運が芽生えてきたことから、これを積極的に支持するという観点からもアフリカに焦点があたっている。
先例を開いたのは、わが国である。わが国は1993年に東京で初のアフリカ開発会議(TICAD)を開催し、アフリカ支援の主導役を果たしてきた。また、2000年の九州・沖縄サミットでは、アフリカの首脳を招き対話を行った。これが昨年のジェノバ・サミットにも引き継がれ、今回のカナナスキス・サミットへとつながった。

2.アフリカ連合の発足

本年7月、アフリカ統一機構(OAU)が新たにアフリカ連合(AU)として生まれ変わった。OAUはアフリカの独立や連帯強化を目的に1963年に発足し、南アのアパルトヘイト廃止やナミビアの独立等、一定の成果をあげた。
AUは欧州連合(EU)を模範にしているが、うまく機能するかどうか、不安な面もある。AUは、「アフリカ開発のための新パートナーシップ(NEPAD)」を基本理念としており、注目すべきは、相互審査メカニズムである。相互審査とは、各国の民主化、ガバナンスの状況を相互にレビューすることである。サミットで採択されたアフリカ行動計画は、この点に着目し、政府の統治体制、経済成長、貧困削減に対して努力している国に重点的な援助を行うことを表明している。このような動機づけをすることで、民主主義、司法の独立、報道の自由を確保し、もって投資環境の改善、投資の増加につなげる。また、投資に必要なインフラ整備はODAで行う構図である。

3.日本・南ア関係

南アは、サブサハラ地域のGNPの約4割を占め、この地域の経済の安定と発展に大きな役割を果たしている。わが国との関係では、今年は南アと日本が外交関係をもって10年になる。両国の交流は年々盛んになっており、今年に入ってすでに、政府間協議(2月)、第5回日・南ア・パートナーシップフォーラム(5月)等を実施した。今後もアフリカの政治経済の中心である南アとの関係緊密化に一層努めていきたい。

《担当:国際協力本部》

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