経済くりっぷ No.7 (2002年10月22日)

奥田会長の発言から


9月30日(月) 定例記者会見

小泉改造内閣に不良債権処理の加速化を期待

「不良債権処理は国内的な重要課題であるだけでなく、海外からの要望事項であり、今回のタイミングを逃すと相当大変なことになります。今回の内閣改造により、不良債権処理は加速されると思います。今回ばかりは行わなければならないという認識で、小泉総理は判断されました。竹中経済財政担当大臣(金融担当兼務)は、体力的にも能力的にもこの任務をこなせる方だと思います。
竹中大臣は公的資金の投入論者ですが、私も経済財政諮問会議のメンバーとして支持してきました。今後、本気で不良債権処理に取り組むと、倒産や雇用問題も深刻となりかねませんので、雇用のセーフティ・ネットの拡充をはじめ、国として早急に対策を講じる必要があります。」


10月3日(木) 東京サンケイビル・グランドオープン記念セミナー

内なる「聖域」の打破を

「土光臨調以来、経済界がコミットしてきた構造改革の多くは、『小さな政府』を目指して行われてきたものです。しかし、制度改革は進んでも、期待されたほど民間の活力が高まっていません。それは、改革が役所のための改革に終始し、経済や社会の体質改善に及ぶものではなかったからです。たとえば、財政改革にしても、単に経費削減策を積み重ね、歳出構造そのものの大胆な見直しには踏み込んでいません。
課題解決の前に立ちはだかるのは、既得権を持つ抵抗勢力であることは明白ですが、実は、国民誰しもが抵抗勢力となりえます。これまでの改革の内容は利害調整に止まり、経済・社会のあり方を抜本的に変えるものではありませんでしたが、残された時間はわずかです。経済構造改革の断行を、単なるスローガンではなく、現実に効果の出る形で行わなければならないところに来ています。」


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