経済くりっぷ No.8 (2002年11月12日)

10月3日/マイン ベトナム共産党書記長との懇談会(司会 宮原賢次 日本ベトナム経済委員長)

ベトナムの更なる投資環境の整備を求める


日本経団連では、10月3日に、公賓として来日中のノン・ドゥック・マイン ベトナム共産党書記長一行との懇談会を開催した。席上、奥田会長は、最近発生したバイク部品の輸入制限問題なども念頭におきつつ、「こうした事態を解決し、日越経済関係の発展のため、更なる投資環境の整備をお願いする。」と発言した。懇談会にはコアン副首相はじめベトナム主要閣僚も出席し、活発な意見交換を行った。

I.マイン書記長スピーチ要旨

マイン書記長

近年、ベトナムはドイモイ政策が成果を挙げ、国際社会からの高い評価を得ている。政府は、外国投資をベトナム経済の1セクターとする政策を、継続して推進する。
ベトナムにとり日本は重要な経済パートナーである。ベトナムに対する日本のODAは、ベトナムの経済的発展に大きく寄与すると同時に、ベトナム経済の国際化にも貢献した。また、日本企業は、早くからベトナムに投資を行い、アジア金融危機時もベトナムにとどまった。このことは両国の良好な経済関係の構築のみならず、他国企業のベトナムへの投資促進にもつながった。日本企業の、ベトナム経済に対する貢献を、高く評価している。日越間の貿易も、順調かつ安定的に発展している。
しかし、両国の国力と期待からすると、現状の経済関係は十分でなく、まだ伸びる余地がある。ベトナム政府も、両国の協力関係が一層発展するよう努力する。両国の経済協力関係が、継続的に発展を遂げることを確信している。

II.意見交換(要旨)

日本経団連側:
ベトナムに投資を行う上でインフラの未整備を感じる。またベトナムを生産拠点とするためには、裾野産業の育成が不可欠である。
フック計画投資(MPI)大臣:
政府は、中小企業の発展のための政令を公布した。MPIは中小企業育成の局を新設した。ベトナムの裾野産業の育成につながる、日本の中小企業の対越投資を歓迎する。

コアン副首相:
最近発生したバイク部品の輸入制限問題については、急増したバイクによる交通事故の多発など、社会問題が背景にある。今回の輸入制限は、日系企業だけでなく、全てのバイク組立て企業を対象としている。日系3社への対応は検討したい。また、バイクの急増に対して、インフラに見合った交通規制も検討している。
日本経団連側:
当社は、今回の措置の影響で、現地での二輪車生産がストップし、雇用にも影響が出ている。措置の撤回と安心して投資できる環境整備をお願いする。
コアン副首相:
政府として、解決策を検討していきたい。
《担当:国際協力本部》

くりっぷ No.8 目次日本語のホームページ