経済くりっぷ No.8 (2002年11月12日)

10月17日/調査結果報告

2001年度のCO2排出量は1990年度比3.2%減少

環境自主行動計画第5回フォローアップ(温暖化対策編)結果


日本経団連は1997年に環境自主行動計画を策定し、温暖化対策については「2010年度に産業部門およびエネルギー転換部門からのCO2排出量を1990年度レベル以下に抑制する」という統一目標を掲げ、その達成に向け取り組んでいる。また、継続的な改善を促すために、取組みの進捗状況を毎年フォローアップしている。10月17日、第5回フォローアップの取りまとめ結果を公表した。

1.産業界全体の状況

第5回フォローアップには産業・エネルギー転換部門に属する34業種、民生業務・運輸部門に属する15業種が参加した。産業・エネルギー転換部門34業種の2001年度のCO2排出量は1990年度比で3.2%減少したことが明らかになった(下表参照)。

2.業種別の動向

自主行動計画への参加業種はおのおの、CO2排出量またはエネルギー使用量の削減、もしくは原単位の改善を目標に掲げている。目標の達成状況は表の通りである。

産業およびエネルギー転換部門のCO2排出量

3.今後の方針

産業界によるCO2削減の取組みは着実に成果をあげている。したがって、産業界における温暖化対策は、今後とも自主的取組みを中心とすべきである。
フォローアップの透明性・信頼性の向上を図りつつ、中長期にわたり自主行動計画の枠組みの中で産業界の取組みを続けるために、2002年7月、環境自主行動計画第三者評価委員会を設置した。第5回フォローアップのデータ収集・集計・公表方法等につき評価し、改善を勧告する報告書を2003年2月末までに取りまとめる予定である。同委員会の報告書を踏まえて、フォローアップの内容改善を継続的に図っていく。

産業およびエネルギー転換部門34業種の2001年度の動向

CO2排出量
(万t-CO2
エネルギー使用量
(原油換算万kl)
CO2排出
原単位
(90年度=1)
エネルギー
使用原単位
(90年度=1)
90年度比90年度比
電気事業連合会
 固有分(電力会社の自家消費)
31200
3370
12.6%
8.7%
11700
1270
8.3%
5.0%
0.90
石油連盟 437929.3%165828.9%0.880.87
日本ガス協会 77.0-33.9%43.0-37.0%0.410.39
日本鉄鋼連盟 17812-8.7%5849-8.5%0.950.95
日本化学工業協会 74765.8%29754.1%0.940.92
日本製紙連合会 29363.8%10720.2%0.960.93
セメント協会 2378-13.5%72017.7%1.030.98
電機電子4団体(日本電機工業会、電子情報技術産業協会、情報通信ネットワーク産業協会、ビジネス機械・情報システム産業協会) 140218.8%85326.8%1.101.18
日本自動車部品工業会 637-17.5%361-10.4%0.820.87
日本自動車工業会 585-22.9%313-23.6%

日本建設業団体連合会 345-30.9%20.9-31.2%

日本鉱業協会 5033.1%2165.4%0.880.91
住宅生産団体連合会 4254.4%1645.8%

日本ゴム工業会 179-7.2%90.6-4.1%0.920.96
板硝子協会 137-22.9%55.1-22.9%1.111.11
日本製薬団体連合会、日本製薬工業協会 21830.4%10937.4%0.810.86
日本アルミニウム協会 1554.3%76.84.6%0.840.85
ビール酒造組合 102-7.7%51.9-1.4%0.840.90
日本電線工業会(銅・アルミ) 86.0-14.3%53.2-9.5%1.111.16
日本電線工業会(光ファイバ) 0.400.40
日本自動車車体工業会 90.0-3.1%48.80.9%

日本ベアリング工業会 68.1-10.7%40.6-7.9%1.09*
日本乳業協会 83.813.7%42.220.1%1.041.10
日本産業機械工業会 58.8-20.0%32.5-18.4%1.02*0.96*
日本伸銅協会 45.6-30.8%26.7-27.9%0.890.92
精糖工業会 49.8-15.1%22.3-9.60.960.92
石炭エネルギーセンター 14.6-74.5%6.5-69.1%0.911.10
日本衛生設備機器工業会 37.3-22.2%18.2-19.0%0.830.86
全国清涼飲料工業会 79.272.8%37.886.3%1.021.10
石炭石鉱業協会 41.3-9.3%20.68.6%0.980.99
日本工作機械工業会 19.5-15.7%11.9-11.8%1.07*1.06*
製粉協会 19.011.5%12.414.5%0.940.98
日本造船工業会
日本中小造船工業会
18.220.8%12.528.0%
0.90

0.88
日本産業車両協会 5.4-12.2%3.0-6.7%

日本鉄道車両工業会 3.2-26.7%1.9-20.9%

工業プロセスからの排出* 4783
補正分* -251-214
合計 48,370-3.2%16,076-1.1%

太字は各業種が目標としている指標。
工業プロセスからの排出とは非エネルギー起源で製造プロセスから排出されるCO2を指す。
原単位の空欄は数値非公表。
電力の炭素排出係数およびエネルギー換算係数は業種によって異なるが、合計値では統一の値を用いている。単純合計と合計値の差を補正分に示す。
日本ベアリング工業会、日本産業機械工業会、日本工作機械工業会は1997年度を基準として原単位を改善する目標を有している。表の値は1997年度を1とする指数である。

《担当:環境・技術本部》

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