経済くりっぷ No.9 (2002年11月26日)

奥田会長の発言から


10月28日(月) 定例記者会見

不良債権処理は鬼手仏心で

「銀行の不良債権処理で、資産査定を厳格化し、銀行がそれに沿ってRCCに債権を売り、自ら債権回収に走って不良債権処理を懸命に行うと、中小企業を中心に傷みを受ける人が多数出てくると言われています。それに対しては、鬼手仏心(きしゅぶっしん)の気持ちが必要です。学者の世界と政治の世界はそこが違い、使い分けていかなければなりません。
日本経団連では、不良債権を切り落とす方だけを求めるのではなく、産業を再生し伸ばす方も、同じタイミングで上手く進めることが必要であると言ってきました。われわれとしても、引き続き産業再生についての働きかけを続けていきます。」


11月7日(木) 第29回北陸地方経済懇談会

方向を変え、新しい日本の道筋を

「各地方からは、道路、新幹線等の社会資本整備の要望が出されていますが、その必要性に対する根拠は、どこもほぼ同じような内容です。その要望を全部満足させると日本の財政はパンクしてしまいます。日本経団連としては、国全体の社会資本整備に向けて努力をしております。しかし、各地域の社会資本整備については、現実には、国土交通省でプライオリティ付けを行うわけですが、単にコストとメリットの問題だけではない、政治の力学が働いています。
今までに政府は、100兆円を超える財政出動を行ってきましたが、経済は良くなっていません。今までと同じことを続けていては、失われた20年になってしまいます。ここで方向を変え、新しい日本の道筋をつくっていく必要があります。」


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