経済くりっぷ No.16 (2003年3月11日)

奥田会長の発言から


2月12日(水) 春闘インタビューより

高コスト体質の改善と国際競争力の強化を

「この10年間、生産性基準原理があったにもかかわらず、生産性が上がらない中でベースアップが行われてきました。今はそれに対する是正が起こりつつあります。中国などに対抗して国際競争に勝つためには、日本の高コスト体質の改善が必要で、人件費などの固定費を削減し、総額人件費を会社として抑制していかなくてはなりません。
一方、ベースアップは物価水準や生産性の向上が背景にあり、生産性が向上すれば、賃上げの可能性はあり、ギブアップする必要はありません。業界横並びの賃金体系に代わり、低い賃金しか出せない負け組と高い賃金を出せる勝ち組に分かれつつあると思います。
われわれは以前から、『春闘』を『春季労使交渉』と言っています。春でなくても必要であれば労使交渉を行い、年に2、3回は、組合側と給料や社会制度などを話し合ったほうがいいと思います。」


2月13日(木) ロゴスキー ドイツ産業連盟会長との懇談より

日独の抱える課題

「ドイツでは、労働市場の硬直性、重い社会保障負担、官僚組織の肥大化が停滞の原因であるとのことですが、労働市場の問題以外は、日独は共通の課題を抱えていると思います。
日本の労働組合は、すでに組織率が2割程度まで落ち込んでおり、ドイツのように労働組合が政権与党の政策を左右するような状況にはありません。むしろ、日本の組合は、会社の業績を踏まえ、給料や一時金への要求を抑制し、会社の業績向上に協力する姿勢を示しています。」


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