経済くりっぷ No.17 (2003年3月25日)

3月5日/調査結果報告

産業廃棄物最終処分量2005年度目標を2年連続前倒し達成

環境自主行動計画第5回フォローアップ(廃棄物対策編)結果


環境安全委員会では、1999年に策定した「産業廃棄物最終処分量削減目標」の達成状況等について、41業界(うち32業界が産業廃棄物最終処分量削減目標を策定)の参加を得て行った調査の結果を公表した。

1.フォローアップ結果の概要

(1)目標の達成状況

2001年度の最終処分量実績は1,920万トンとなり、2000年度実績(2,008万トン)の約4%減となった。1990年度実績(6,193万トン)と比べると約70%の減少となっている。これらの結果から、産業界の産業廃棄物最終処分量削減に向けた自主的取組みが2001年度においても着実に進展し、2005年度目標を2年連続で前倒し達成したことが明らかになった。

産業界全体(32業種)からの産業廃棄物最終処分量

(2)2001年度実績調査結果

  1. 今回のフォローアップには41業種が参加し、そのうち産業廃棄物最終処分量削減目標の達成状況フォローアップには32業種 (注1) が参加した。32業種からの産業廃棄物最終処分量は、基準年である1990年度でみると、わが国全体の産業廃棄物最終処分量の70%近くをカバーしている (注2)

  2. これにより、産業界の産業廃棄物最終処分量削減に向けた自主的取組みが2001年度においても進展し、1999年度に設定した産業界全体の産業廃棄物最終処分量の2005年度における削減目標を約9%上回ったことが明らかになった (注3)

  3. また、廃棄物関連法施行に伴なう新たな対策や、政府への要望が多く寄せられたことが今回の特徴の一つである。

2.産業界全体の目標と政府の目標

【産業界全体の目標】

産業界として2010年度における産業廃棄物最終処分量の目標量を1,500万トン(1990年度比25%)に設定する。また2005年度の中間目標を2,100万トン(1990年度比35%)とする。なお、これら目標は、その達成状況や社会経済情勢の変化等を踏まえて、必要な見直しを行う。
(※2005年度目標を達成したため、今後は2010年度目標の達成に向けて取り組む)

【政府の目標】

  1. 1999年9月末に策定された政府の廃棄物削減目標では、2010(平成22)年度の産業廃棄物最終処分量を3,100万トンと設定し、1996年度(基準年度)に対し約50%の削減を目標としている。因みに、日本経団連の目標(1990年度比75%削減)を、1996年度(推計値)比でみると2010年度は約70%の削減となる。

  2. 2001年5月に公表された廃棄物処理法の基本方針には、「産業廃棄物については、現状(平成9年度)に対し、平成22年度において、排出量の増加を約12%に抑制し、再生利用量を約41%から約47%に増加させるとともに、最終処分量をおおむね半分(約6,600万トンを約3,000万トン)に削減する。」という目標が設定されている。

  3. 先般、閣議決定された「循環型社会形成推進基本計画」には、循環型社会の形成の取組みの進展度を測る指標として、平成22年度を目標年次とする産業廃棄物の減量化目標として、「産業廃棄物の最終処分量を平成2年度比で約75%減とすること」が盛り込まれている。


(注1)
産業界全体の産業廃棄物最終処分量を算出するにあたり対象となった業種:電力、ガス、石油、鉄鋼、化学、セメント、製紙、自動車部品、電機・電子、自動車、建設、非鉄金属製造、板硝子、ゴム、電線、アルミ、製薬、ビール、伸銅、石炭、精糖、産業機械、造船、鉄道車輌、航空、牛乳・乳製品、製粉、ベアリング、清涼飲料、通信、産業車両、自動車車体の32業種。このうち、航空、通信、産業車両、自動車車体については、今年度から集計。

(注2)
32業種の1990年度実績値6,193万トンは、同年度のわが国全体の産業廃棄物最終処分量8,900万トン(環境省調べ)の69.6%。なお、日本経団連の数値には、わが国全体の産業廃棄物排出量の約21%を占める上下水道業からの産業廃棄物(主として汚泥)、約23%を占める農業部門からの産業廃棄物(動物のふん尿等)は含まれていない。

(注3)
住宅、工作機械、貿易、百貨店、損害保険、不動産、鉄道、海運、銀行の9業種は、最終処分量集計に参加していない。ただし、住宅については、建設と重複するため、建設の数値の内数としている。

《担当:環境・技術本部》

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