3月10日/森山法務大臣との懇談会(司会 御手洗冨士夫副会長)
日本経団連では、法務大臣はじめ法務省首脳と、毎年、通常国会前半の時期に通常国会提出法案を中心に意見交換を行っている。本年は3月10日に、森山眞弓法務大臣、増田敏男法務副大臣、中野清法務大臣政務官はじめ法務省首脳との懇談会を開催した。日本経団連側は御手洗・岸・西室の3副会長と高原・出井の両評議員会副議長ほか関係委員長・部会長が出席した。
近年、商法、倒産法等の企業法制の重要な改正や司法制度改革が相次いで行われており、法務省の皆様に感謝する。
今国会では、議員立法で自己株式取得に関する商法改正をお願いしており、各社が2003年定時総会より利用できるよう、早期成立に理解を得たい。
また2005年の通常国会に向けた商法改正の議論においては、理念先行とならず、経済実態を踏まえた検討をお願いしたい。
大臣就任以来、多数の会社法改正が行われ、目下、法制審議会では株券の不発行制度と商法の現代化について検討している。また、倒産法制では昨年の臨時国会で会社更生法の全面改正を行い、本年秋の臨時国会で破産法の全面改正を行う予定である。
一方、司法制度改革推進本部では、民事司法制度の改革が急ピッチで進んでおり、今国会に裁判の充実・迅速化の法案を提出している。これに関連して法務省は、民事執行法の改正案を近日中に提案する。
今後も内外の情勢変化を反映した経済法制改革に取り組んでいきたい。
会社法制の改革は、企業統治の実効性の確保、高度情報化社会への対応、企業の資金調達手段の改善、企業活動の国際化への対応の4つの柱の下で進められてきた。
次の商法改正課題としては、まず、本年秋の臨時国会への法案提出を目指している、株券の無券面化と電子公告制度の導入がある。また、平成17年の通常国会への法案提出を目指して、カタカナ文語体の法文を口語化し、用語を現代化すること、商法・有限会社法・商法特例法の統一と数次の改正事項を整合化することについて検討している。
倒産法制の改革としては、平成8年より民事再生法、個人債務者再生手続と外国倒産処理手続の創設、会社更生法の全面改正を進めてきた。本年秋の臨時国会では、破産法の大改正を行うので、会社更生法同様、日本経団連の協力を得たい。
その他、今国会では民事訴訟法、民法と民事執行法の改正を、司法制度改革審議会の意見書に沿って進めることとしている。
デフレ不況の中で産業の空洞化は深刻な問題となっている。世界の中で日本の法律制度は遅れており、商法改正を進める必要がある。一生懸命に取り組むので、司法制度改革でも日本経団連との連携を進めたい。