経済くりっぷ No.18 (2003年4月8日)

奥田会長の発言から


3月12日(水) 第31回中国地方経済懇談会より

構造改革特区は、ねばり腰で実現を

「構造改革特区は、日本を大きく変えていくための突破口の一つになると信じています。すでに第一次、第二次の募集が終わり、その結果について話もきいていますが、遅々として進んでいないというのが実感です。
改革に対する抵抗の源泉は政や官にあると言われますが、民間にも今までの既得権を失いたくないため、改革に反対する人が多いという現実があります。彼らが官や政と結びつき反対しているため、構造改革特別区も進まないのです。
しかし、可能性がゼロではなく、一回却下されたからといって気落ちせず、第三次、第四次募集に向けて何度も提案することが大事です。特区構想はきれい事では進まず、何回もチャレンジし、ねばらなければ現状を変えることはできません。」


3月13日(木) 第55回九州・山口経済懇談会より

日本経済はナロー・パスを通過中

「日本は、この20年間、地球的規模の変化に乗り遅れ、一周遅れでキャッチアップしようとしています。現在、小泉改革の下で、その遅れを取り戻す努力をしていますが、これは1、2年でできるものではなく、3年以上の厳しい道を経て、新しい社会が登場するものです。いわば、日本経済は、ナロー・パス(narrow path)、あるいは尾根の上を通過している状況です。
小泉内閣の発足時、われわれは痛みに耐えて改革を推進するという首相のメッセージに高い支持を与えました。現在、その痛みの時期を迎えていますが、改革が遅れているというわけではありません。日本は、今後、1%程度の成長率の下で、国内の諸制度を改革していくことが重要です。日本経団連も小泉改革に協力し、その実行を早めていくつもりですので、改革の推移を見守っていただきたいと思います。」


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