経済くりっぷ No.18 (2003年4月8日)
3月19日/モハエ ボツワナ大統領との朝食懇談会
民間部門の育成がボツワナの持続可能な発展の鍵
「第3回世界水フォーラム」への参加のため来日したモハエ ボツワナ大統領と懇談し、ボツワナの経済や民主主義政策の現状をきくとともに意見交換を行った。当日は、ボツワナ側からマラフィ外務・国際協力大臣、モゴツ エネルギー・水担当大臣など18名が、日本側からは安崎暁日本経団連サブサハラ地域委員長はじめ関係者が出席した。
I.モハエ大統領発言要旨
ボツワナは開かれた自由主義経済体制の整備を進めており、経済の多角化と投資促進のため、非製造業の法人税率は25%となっている。製造業や国際金融サービスの法人税率は15%とさらに低率である。
国内市場は小さいが、2億人の人口を有する南部アフリカ開発地域へのゲート
ウェイである。
民間部門の育成がボツワナの持続可能な発展の重要な鍵である。そのため、電気通信、道路、鉄道などの公共サービスを民営化している。また、2年に1回、民間部門と合同でビジネス協議会を開催し、政府の政策が民間部門にどのような影響を与えるか意見交換している。
II.意見交換要旨
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- 日本側:
- 製造業にとっては中等教育が重要であるが、どのような労働者教育を行っているか。
- 大統領:
- われわれは教育を重視している。そのため、市民や企業に対し教育助成金を提供している。
- 日本側:
- 外資誘致にあたり、1人当たりのGNPが3,000米ドルを超える労働コストの高さをどう考えるか。民営化については、どの分野でどの程度進んでいるか。
- 大統領:
- 労働コストは、インドやバングラデシュよりも高いが、国からの投資インセンティブがあることを考えれば、決して高くはない。民営化については、航空、電気通信などでIFC(国際金融公社)や民間の金融機関、国際機関を活用して計画を進めている。
- 日本側:
- コンゴ和平が実現すれば、ボツワナはコンゴに抜ける物流拠点となるが、どのような幹線政策があるか。
- 大統領:
- 南アからコンゴ、ザンビア、マラウイへの貿易はボツワナ経由であり、ザンベジ川流域の橋の建設や道路開発を進めている。東アフリカ地域とは、鉄道や道路で結ばれている。
- 日本側:
- ボツワナとザンビア間のカズングラ橋建設プロジェクトはどうなっているか。
- 大統領:
- 国境地帯の問題についてザンビアの同意を得ており、今年中に決着する。
- 日本側:
- 南アでは自動車の輸出奨励策により、欧州メーカーが南アから世界に自動車を輸出している。当社も同様に、南アを他地域への輸出拠点として活用する方針を決めた。ボツワナには、自動車部品のサプライヤーはあるか。
- 大統領:
- ボツワナでは、自動車や電子系のアセンブリを行っており、部品の輸出もしている。
《担当:国際経済本部》
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