経済くりっぷ No.18 (2003年4月8日)

3月17日/日本コロンビア経済委員会(委員長 槙原 稔氏)

治安・社会問題の解決はコロンビア経済発展の鍵

−カルデナス対日経済委員長と懇談


日本コロンビア経済委員会では、来日したホルへ・カルデナス コロンビア対日経済委員長より、ウリベ政権発足後のコロンビアの政治・経済情勢を中心に説明をきいた。ウリベ政権は、コロンビア経済の安定化、投資環境の整備、治安・社会問題の解決に積極的に取り組んでおり、日本との経済関係強化の必要性および日本コロンビア経済委員会の活動再開に向けての期待を述べた。

○ カルデナス委員長説明要旨

1.治安改善および経済改革の推進

コロンビアを、持続可能な経済成長ができる豊かな国家として構築していくためには、国内の治安・社会問題の改善とともに経済・金融改革の推進が不可欠である。特に、9・11米国同時多発テロ以降、一番頼りにしていた米国経済が停滞し、欧州および日本の経済もさらなる後退を余儀なくされた。こうした厳しい国際環境のなかで、主要産品のコーヒー、砂糖、バナナ等の輸出も不振に陥っている。この脱却のためにも抜本的な経済構造改革の推進が重要である。これらの構造改革は、IDB(米州開発銀行)、世銀、IMF等の国際機関からの理解・支援を受けている。
さらに輸出の促進とコロンビア製品の国際競争力強化が求められてので、特に輸出製品の多角化を通じ、コロンビアを輸出国家としたいと考えている。技術革新によって、農産品・工業製品の付加価値を高め、自由貿易協定を活用しながら、国際市場に提供していきたい。

2.投資環境の整備

ウリベ政権は、治安・社会問題の解決のために国内テロ対策を強化するとともに、海外からの投資を促進するための環境整備を進めている。治安問題解決のために国内和平の実現に正面から取り組んでおり、国内左・右翼双方のゲリラグループに対して強硬な姿勢で立ち向かい、直接対話を行っている。今後、和平交渉に入っていくとみられ、事態は改善に向かっている。
一方、直接投資を増加させるために、国内運輸インフラの改善により、輸送コストの削減を図ろうとしている。特に太平洋岸の港湾の整備は、アジア・太平洋への出入り口として非常に重要である。
ウリベ政権は、日本の企業が、コロンビア市場のメリットを十分理解し、今後、投資を拡大することを大変期待しており、できるだけ早く日本コロンビア経済委員会の活動を再開することを願っている。また、ウリベ大統領の来日にあわせて、次回合同会議の東京における開催の可能性について検討してもらいたい。

《担当:国際経済本部》

くりっぷ No.18 目次日本語のホームページ