経済くりっぷ No.22 (2003年6月10日)

奥田会長の発言から


5月15日(木)  鴻池構造改革特区担当・防災担当大臣との懇談より
−行政改革推進委員会

官庁用語と民間用語の統一を

「官庁用語には、『検討する』は『しない』と同義語であったり、『検討することを検討する』、『措置することを検討する』というような、おかしな表現があります。官庁の文章は、曖昧で、どうとでも取れる言葉の羅列になっています。こうした文言を使うことで、大臣や官庁は逃げ道を確保しています。民間企業では、『する』か『しない』のどちらかだけで、官庁用語のような曖昧な表現は許されません。
おそらく、総合規制改革会議でも、そういう言葉で逃げられるということが多々あると思います。また、経済財政諮問会議の議事録も同様で、官庁用語のために、記者は実際の話とは全然違う読み方をしてしまうことがあります。国民と政治との間に軋轢を生んでいる言葉の問題は大きいので、官庁用語と民間用語の統一は、どこかの場で取り上げてみたいと思います。」


5月19日(月) 「日本経団連フォーラム21」開講式より

双方向のグローバリゼーションへ発想の転換を

「これまでは、日本のことを考えていればいい、日本でつくったものを輸出すればいいということでした。私の個人的なキャリアでも、若い頃には一方的に輸出、輸出ということで、輸出立国を目指していました。
しかし、グローバリゼーションと国際化は違います。グローバリゼーションは、一方向ではなく、双方向のものであることを理解してもらいたいと思います。最近は、貿易立国ということで、行ったり来たりの双方向のビジネスへと変ってきました。
そうなると、日本のビジネスマンも、国際的教養が求められることになります。従来のように日本や東洋を中心に考えるのではなく、日本のおかれた立場をグローバルな視点から検討しなくてはなりません。日本に封じこめられた発想のままでは、グローバルに活躍することは不可能です。」


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