経済くりっぷ No.25 (2003年7月22日)

奥田会長の発言から


7月3日(木) 第36回東北地方経済懇談会より

骨太の方針第三弾に小骨と筋肉をつけて仕上げを

「経済財政諮問会議が取りまとめた『経済財政運営と構造改革に関する基本方針2003』(骨太の方針第三弾)に関しては、規制改革と構造改革特区が内需拡大と雇用創出の起爆剤として最重要です。今回は、困難な項目をアクションプランとし、深掘りができていない中間的な内容ですが、総合規制改革会議の第三次答申においてより具体的に取りまとめる必要があります。
社会保障については、国民皆保険制度が国民から信頼されていないという現実があり、潜在的国民負担率を50%に目標設定できたことは適当であると思います。
また、国と地方との関係で、三位一体改革は大きく前進したと思います。マスコミは批判的ですが、大方針を示したことは意義があります。これをいかに地方の活性化につなげるかが重要であり、地方の意見をきき、また、地方と共同で三位一体改革を進めるべきです。
今回の方針をマスコミは骨細と批判しますが、当初から100%のものをつくるのは無理です。これから年末に向けて小骨と筋肉をつけていきますが、これは今後の日本経済の改革を仕上げる上で重要です。」


7月8日(火)  ベルルスコーニ・イタリア首相との懇談より
−日本経団連第2次訪欧ミッション

奥田会長
「ベルルスコーニ首相の行っている政治改革は、小泉首相の改革とよく似ているという印象を受けました。イタリアでは、50年間に57の政権が生まれたとのことですが、日本でも1年に一人ずつの割合で首相が替わっています。小泉首相は今回再選されれば、3年は首相を続けられると思います。小泉改革のこれまでの2年間は、既得権を持っている人からさまざまな抵抗を受けてきましたが、この7月を乗り切れば、その後はうまくいくと思います。」

ベルルスコーニ首相
「イタリアの政治思想家マキアヴェリは興味深いことを言っています。『王が改革を進めるとき、利益を受ける人は黙って見ている。失敗すると王だけが批判を受け、成功すると皆がよくやったと言われる』と。」


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