経済くりっぷ No.28 (2003年9月23日)

8月4日/日本トルコ経済委員会2003年度総会(委員長 梅田貞夫氏)

「2003年日本におけるトルコ年」の下、日本トルコの関係強化推進を

−ウナイドゥン駐日トルコ大使よりきく


日本トルコ経済委員会では、2003年度総会を開催し、2002年度事業報告・収支決算、2003年度事業計画・収支予算を、原案通り承認した。当日は審議に先立ち、ソルマズ・ウナイドゥン駐日トルコ大使より、「2003年日本におけるトルコ年」への抱負ならびに好調なトルコの経済の状況について説明をきいた。

○ ウナイドゥン駐日大使説明要旨

1.単独政権による政権安定

トルコでは、昨年11月の総選挙で野党のAK党(公正発展党)が過半数の議席を獲得し、これまでの連立政権から単独政権に代わった。エルドウァン首相の下、トルコ政治は様変わりし、議会運営も順調に進み始めている。EU正式加盟に必要な各種の法律改正が行われるなど、政治および経済分野での躍進、変革が期待されている。

2.高成長に転じたトルコ経済

トルコ経済は、各国際機関による支援の下、2002年のGNP成長率が7.8%とこれまでのマイナス成長から好転した。トルコは、中国に次いで世界第2位の経済成長を達成した。また、インフレ率は、これまで80%程度で推移してきたが29.7%にまで抑制することに成功した。
さらに、2003年は5%台の経済成長が見込まれている。また、IMFから280億ドルの追加融資ならびに世銀の3ヵ年国家支援プログラム(620億ドル)の確約も得ていることから、トルコ経済は今後大いに期待できる。

3.日本トルコ関係の強化

2003年は「日本におけるトルコ年」であり、日本・トルコ両国にとって大変重要な節目の年である。多くの分野での日本・トルコ関係が一層強化されるよう担当大使としての責任を痛感している。
トルコはアジアとヨーロッパ、中東アラブ地域を結ぶ東西の要所にある大国である。最近では欧州市場の一部、対EU向けの生産基地となっている。
直接投資では、ドイツをはじめ欧米勢がトップ3を占めており、日本は、第8位にとどまっている。日本企業は技術力、生産能力、マーケティング等が一流であるから、トルコの若い良質の労働力、地域的優位性をもっと利用してほしい。日本がその経済規模にふさわしい協力、努力をすることを望んでいる。こうした観点からイラクの復興問題でも日本とトルコは協力を強化すべきである。
また、トルコは観光資源が豊富であり、観光産業分野における両国の協力が重要である。欧州からの観光客が多いので、良質な観光インフラもある。海外旅行する日本人は年間1,700万人だが、日本からトルコへの観光客は年間9万5,000人に過ぎない。この数が2〜3倍に増えることを望んでいる。

《担当:国際経済本部》

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