奥田会長の発言から


10月14日(火) 通信社とのインタビューより
景気回復の波を中小企業へ

「日銀短観はじめ経済統計を見ると、大企業中心ではありますが、経済は上向いていると言えます。依然として倒産、自殺が多く、失業率が高いという問題はありますが、内容的には日本経済は大きく変りつつあると感じています。
一方、大企業と中小企業の落差、大都市と地方の落差をいかに埋めていくか、注意を払う必要があります。景気が悪くなると、大企業は外部に出していた仕事を内生化する傾向がありました。これからは中小企業の仕事をつくっていくことが重要です。もちろん、倒産や失業の背景には、IT化や生産拠点の海外移転という現実があり、景気が良くなれば全ての問題が解決するわけではありません。しかし、大企業が良くなれば、それは中小企業へと波及していきます。その間のタイムラグについては、政府として万全の体制でセーフティネットを準備し、支えていかなくてはなりません。」


社会保障とイラク問題を総選挙の争点に

「今回の総選挙では、年金、医療、介護、雇用を含めた社会保障の総合的な枠組みとイラク問題を争点に、与野党で真摯に議論してもらいたいと思います。
年金改革をめぐっては、坂口前厚生労働大臣が厚生年金の保険料負担の上限を20%に設定する案を出しています。経済産業省の試算によると、これでは今までの法人税減税の効果が吹き飛んでしまいます。私は現状維持か、高くても15%程度が妥当と考えます。
また、社会保障財源についても、公共事業費や公務員の人件費等の大幅歳出カットだけでは捻出できません。経済が良くなり法人税が増えればいいのですが、そうならなければ消費税的なもので対応する以外に方法はありません。
イラク問題への対応は、結果的には日本の憲法の見直しも絡むような話であり、与野党の考え方をはっきりさせてもらいたいと思います。イラクへの自衛隊派遣については、米国に従属して派遣するのではなく、あくまで国連の枠組みで出すべきであると考えます。」


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