10月1日/ドロジャトゥン インドネシア経済担当調整大臣との懇談会

インドネシアは「経済政策パッケージ」に沿った、経済改革を継続する


Introduction
日本・インドネシア経済委員会では、10月1日、来日中のドロジャトゥン・クンチョロヤクティ インドネシア経済担当調整大臣を迎え、懇談会を開催した。当日は、宮原賢次副会長の歓迎挨拶に続き、ドロジャトゥン大臣より、インドネシアの経済政策等について説明をきくとともに、意見交換を行った。

I.ドロジャトゥン大臣説明要旨

インドネシアは、2003年末でIMF(国際通貨基金)プログラムから卒業して、ポスト・プログラム・モニタリング(注)に移行する予定である。IMF卒業にあたって、9月に「経済政策パッケージ」を発表した。同パッケージは、経済政策だけでなく、官僚制度、法制度などに関する改革も盛り込んでおり、自分を含めた3名の担当調整大臣が日程に沿って実施し、その結果を定期的に大統領に報告していく。また、記載された諸政策は、2004年の予算・年間計画を含め、すべて議会の承認済であり、地方政府も含めた国全体で、来年の総選挙後の内閣においても、引き続き取り組んでいくこととなっている。その意味で、このパッケージは、インドネシアが今後も改革を継続していくというメッセージである。
なお、投資環境改善への取り組みについては、現地日系進出企業から成るジャカルタ・ジャパン・クラブ(JJC)とインドネシア政府の間で、定期的に意見交換を行っており、大きな成果が上がっている。この活動を今後も継続するとともに、今回発表したパッケージを踏まえて、問題点の更なる改善を図っていきたい。

II.意見交換(要旨)

日本経団連側:
インドネシアは日本からの観光客を含めた訪問者に対して、ビザ取得を義務付けると発表している。この施策は、投資・観光誘致によって外貨収入増を目指すというインドネシア政府の政策と整合しないのではないか。
ドロジャトゥン大臣:
世界的なテロ対策のためのセキュリティ強化策の一環であり、当面の間、理解と協力をお願いしたい。日本からの来訪者に迷惑がかからないような方策を検討する。

日本経団連側:
日本とインドネシア間の経済連携協定(EPA)の見通しについて、伺いたい。
ドロジャトゥン大臣:
農業分野よりも製造業の問題のほうが、大きな議論になると思う。WTOカンクン閣僚会議が不調に終わったことから、従来以上に二国間のEPAに力を注ぐ必要があると考えている。早期締結に向けて、両国が緊密に協力すべきである。
(注) ポスト・プログラム・モニタリング:
IMFプログラムから卒業した上で、インドネシア側が自ら経済政策プログラムを作成の上、実行していく。
年2回程度、IMFがモニタリングを実施する。
《担当:国際経済本部》

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