奥田会長の発言から


10月30日(木) 第56回東北経営者大会における奥田会長講演より
定年延長は労使の取り組みに委ねるべきです

「坂口厚生労働大臣が65歳への定年延長について言及されたことに関し、報道の通り法律による義務化を目指しているのであれば、それは企業経営や経済の実態を無視した議論であると思います。
もちろん、2025年までに年金支給開始年齢が段階的に65歳まで引き上げられる中で、雇用延長や定年と年金の接続に配慮が必要であることは理解しています。実際、1998年に65歳までの雇用延長が努力義務化されたこともあり、労使ともこれを重要課題として、さまざまな取り組みを進めているところです。
法律による義務化は、第1に企業経営に与える影響が大きすぎる、第2に若年層へのしわよせなど労働市場に与える影響が大きい、第3に一律の法制化では各企業の経営や労使関係の実情に応じた適切な対応ができない、という問題があります。労使が多様な知恵を出している時に、一律の法制化を行うことは、こうした努力の余地を失わせてしまいます。定年のような基本的な労働条件は、まずは各労使の取り組みに委ねるべきです。」


11月10日(月) 定例記者会見より
国民の支持をバネに小泉改革の一層の加速を

「今回の衆院総選挙の結果は、大体予想されていましたが、与党が過半数を獲得して、改革を実行しやすくなりました。小泉改革に対する国民の支持があった結果と見ています。われわれとしては、選挙前と同様、小泉内閣が改革を加速して、懸案事項を実行に移してくれるよう期待しています。中でも最大の課題は、社会保障改革であり、年金、医療、介護などの改革のパッケージを年内には定めなければなりません。
それから、今回の選挙で各党が政権公約を掲げたことはよかったと思います。これにより、国民がそれなりにその内容を吟味して比較したうえ、投票に臨むという新しい流れができました。また、私は、米国のように二大政党制がうまく実現されればよいと考えていました。今回の結果により、いつかそうした時代が到来することが見えてきたと思います。
ただ、残念だったのは、依然として若年層の選挙への関心が低いことです。選挙とは、自分たちのこれからの時代のことを決められる機会です。若年層の関心の低さは、日本の将来を考えると、憂慮すべき事態です。」


くりっぷ No.32 目次日本語のホームページ